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今回は、皆さまがよく耳にされる言葉、「バリアフリー」についてのお話です。
「バリアフリー」という言葉が世に出回って40年以上が経過しました。
その間、バリアフリー法の制定と改正もあり、身近な建物の段差はどんどんなくなってきて、皆さまにも身近な言葉になっていることと思います。
しかし、一口に「バリアフリー」といっても、それが一体誰の為のものなのかを忘れてしまい、とおり一辺倒に対処してしまうと、「バリア」を無くしたはずが逆に不便になってしまうこともあります。
例えば、建物出入口にある「視覚障害者誘導ブロック」があります。
たいていの場合黄色で凹凸があり、公共性の高い建物の出入り口や階段に貼られている、よく見かけるあのブロックです。
この「視覚障害者誘導ブロック」は、病院や老人ホームなどの施設では、敷地の出入口から建物出入口の自動扉まで、更にそこから建物内の「案内所」もしくは「案内板」までの設置が法律で義務付けられています。
ですので、つい一律にブロックを設置してしまいがちです。
「視覚障害者ブロック」はもちろん視覚に障がいをお持ちの方が、道しるべとして使用されるものではありますが、一方で車いすをご使用になる方や、救急搬送時のストレッチャー移動には円滑な移動を妨げる
「バリア」になってしまいます。
実はこの「視覚障害者ブロック」の設置義務、行政との協議によっては一部緩和が認められることがあります。
それは、特に出入口から入って「案内所」までの部分です。
なぜならば「案内所」には受付スタッフがいて、そのスタッフが付き添い案内すれば、ブロックなどなくてもよいからです。
また、実は「視覚障害者ブロック」を設置しなくてはならないのは、数ある経路の内一つだけなのです。
つまり、経路を複数設置することが出来れば、車椅子の方に「バリア」がない経路を設置する方法もあるのです。
視覚に障がいがある方にはその方に寄り添った方法があり、車椅子の方にはその方が不便を感じないようにする方法があるのです。
法律に定められた一般的な方法だったとしても、一律に採用してしまうのではなく、
それが
「誰の為の手段なのか」
「本当にそれでいいのか」
を、もう一度考えることが必要だと思います。
このような細やかな配慮を積み重ねることによって、本当に便利な建物とするのも、CM(コンストラクション・マネジメント)の業務です。
高齢者施設などをお考えの際には、是非私共にご相談ください。
当社コンサルタントによる初期ヒアリングは無料です。まずはお客様のご要望をおうかがいいたします。