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近頃、シニア関連の新聞や雑誌を眺めていると、高齢者世代には一見関係の無い「保育所」に関する記事が増えてきたように思います。
全産業で労働者不足が叫ばれる中、特に介護業界では女性が活躍する場面が多いため、関心の高い話題だからですね。
依然として東京都をはじめ、待機児童が社会問題となっている状況ですから、問題解決の先手を打てば、そのメリットをシニア事業にも生かすことができます。
わたくしどもにご相談にいらっしゃる事業主様の中にも、シニア住宅に保育所を併設し、従業員をはじめ地域への貢献を検討される方がいらっしゃいます。
保育所をシニア住宅に併設するメリットとしては、
といった点が挙げられます。
また、こどもと日常的に接することで、高齢者の生活にもメリハリができ、認知症の改善にも効果があるという事例もよく耳にします。
施設整備上、留意すべきポイントとしては
が挙げられます。
シニア住宅と保育所の運営者が同法人でも、所管行政窓口が違うので明確な分離を求められます。
しかし、一体的な運営をするには両者の事務諸室は近接している方が良いので、扉一枚または廊下一本挟んだ配置にします。その際、各施設の主要室から事務室が離れてしまう場合は、サテライトとして日常業務をこなせる程度のスタッフコーナーを設けるようにします。
また、相談室や会議室等は兼用、もしくはパーティションで仕切れるなど柔軟な使い方ができる構造とし、稼働率の低い部屋を無くすように計画し、行政と協議します。
交流が自然に発生する配置にしながらも、セキュリティに配慮する...というのは、条件として相反するものです。
最もバランスがよいのは、シニア住宅の共用ラウンジなどの窓から保育所のアプローチや、園庭が見える配置です。にぎやかにこどもたちが登園したり、遊んでいたりするのを高齢者が眺めるだけですが、よい刺激になります。
窓を開ければ会話ができるので、こどもたちがシニア住宅を訪問した際も、顔見知りですから打ち解けるのに要する時間が非常に短いそうです。
移動のしやすさや、まとまった広さが必要といった点を踏まえると、シニア住宅の共同食堂が最も適しています。
職員の目が届きやすい空間になっていますし、衛生管理面でも洗面手洗いやトイレを近くに配置する食堂は管理もしやすい場所です。ただし、交流の際に使う子ども用いすや道具などはかなりの量になるので、まとまった広さの倉庫を近くに設ける必要があります。
保育園を併設したシニア住宅は交流を目的として以前からありますが、その管理や運営の難しさからこれまであまり積極的に検討されてきませんでした。
しかしながら、冒頭に挙げたとおり雇用の安定を目的として再注目されています。
プラスPMでは、主に施設整備面でのアドバイスさせていただいております。是非一度、お気軽にご相談ください。
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