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1.ターゲット顧客に合った商品設定⇒運営計画に落とす
最近、異業種から新規事業の立ち上げで介護業界へ進出したいと相談に来られることが多くなりました。
中にはどのような顧客にどのようなサービスを提供するかが漠然としていたり、介護は少しヘビーだから、単にサ高住を建て、元気な高齢者に住んでいただこう等とお考えのご担当者もおられます。
お元気型の高齢者住宅のニーズや成功事例は確かにあるのでそれ自体を否定しませんが、年間○○棟建てて展開していきたいと聞くと、かなり難しいスキームになるのであまりお勧めはしていません。
では『お元気型』の何が難しいか?
お元気だと何が何でも移り住まなければならない理由が希薄だからです。
『...ねばならない理由』が明確なお客様のニーズに応える事業の方がうまくいくと思いませんか?
高齢者のニーズで一番顕在化しているのは介護ニーズです。
既に現状の生活維持が厳しくなり、已むに已まれず立地や予算に合った終の住処を探しているご家族やご本人の思いは筆舌しがたいものがあります。
このような入居を待ち望み困っている方のニーズに合った施設つくりができれば喜んでいただけるし、満室は目に見えてきます。
重要なことは?予算、?立地、?サービス内容 です。
ターゲットが明確になれば要介護度、医療依存度、デイサービスやクリニックを併設するのか高齢者住宅を単独設置するのか、また居宅介護支援事業所、訪問介護事業所を併設するのか否かを決定し、事業のスキームを組み立てます。
それを運営計画や営業方針に落とし込みます。そして事業規模を想定し、事業収支を組み立てる具体的な材料をそろえていきます。
2.商品設定に合った運営計画を事業収支に落としこむ
運営計画が固まってくれば、事業収支に落としていきます。
自己建設なら建設関連事業費、サブリースなら借上げ家賃、土地建物関連費以外には、什器備品、開業前人件費、入居者募集経費、建物維持管理費、水光熱費、要介護度想定、医療依存度、稼働率(集客イメージ)、組織体制、人員配置、人件費、その他もろもろ諸経費を算出し収支を組立て、検証します。
3.運営計画に合った事業収支を建築計画に反映させる
さて、いよいよプランニングをしていきます。
収支から○?の居室を△室、レンタブル□%で作成という方針を決めます。全ての基本は収支計画書からです。基本事項を抑えて計画を進めます。
このときに運営上大きく左右するのが、居室レイアウトと食堂の位置です。
居室レイアウトは、1フロアーに何室入るかです。
仮に60室の計画をするとき、20室/階×3層とするのと、15室×4層とするのとでは、運営効率が違います。
階が多くなる方が特に夜勤の介護体制がかわり人件費が余分にかかるからです。10室/階未満ですと運営上の効率は著しく低下します。
食堂の位置は各階に分散して設置するか、1ヶ所にまとめてとるか、でプランニングと運営の仕方が大きく変わります。
運営方針上かなり深い議論を要します。あとで変更できないからです。
方針を決める時の指標となるのは、やはり数字です。
各階分散案と一箇所集中案の2タイプのプランをつくり、建設費と運営効率の比較をします。
厨房の位置、食堂への配食動線、利用者の食堂までの動線が重要です。配食動線距離と利用者の食堂までの動線距離は相反することが多く、介護度が重たくなれば、食堂への誘導はやはり近い方が良いでしょう。
このように食堂一つとってみても様々な視点により、プランや運営のし易さ、利用者にとっての利便性は変わり、また運営効率は施設運営に占める人件費に大きな影響を与えます。
本事業では数値化した客観的判断と何を目指すかという理念との交わる点を抑えどころとして検討を深めていただきたいと思います。
当社コンサルタントによる初期ヒアリングは無料です。まずはお客様のご要望をおうかがいいたします。