Interview

プラスPMで働く人々

  • 東京オフィス
  • チーフディレクター、執行役員

壁にぶつかっても、視点を変えて挑み続ける。その先にある、成長のかたち

2015年入社 T.H.
大学院 自然科学研究科建設学専攻 博士課程前期
組織設計事務所出身

Career

入社までの道のり

2004-2015年
大手組織設計事務所で病院設計に従事
2015年
プラスPM入社
2017年
シニアコンサルタントへ昇格
2019年
チーフコンサルタントへ昇格、マネジャーへ就任
2021年
チーフマネジャーへ昇進
2022年
ディレクターへ昇格
2023年
テクニカルチームのリーダーに就任(CM部との兼任)
2024年
チーフディレクターへ昇格
2025年
執行役員へ就任
主な資格
一級建築士、認定コンストラクションマネジャー(CCMJ)、認定 医業経営コンサルタント

Project

入社後に関わった
主なプロジェクト

2015-2019年
久米川病院移転新築プロジェクト
2015-2021年
八王子保健生活協同組合城山病院一部建替計画CM業務
2016-2017年
ふたば医療センター(仮称)施設整備に関する支援業務
2017-2021年
新県立宮崎病院建設工事等に係るCM業務
2018-2022年
川⻄市⽴総合医療センター整備事業におけるCM業務
2019-2024年
さんむ医療センター整備事業CM業務
2025年-
滋賀県水産試験場本館等整備CM業務

設計力だけでは解決できない。だから、もっと川上から関わりたい

2015年7月、大手組織設計事務所を離れ、プラスPMに転職しました。転機は、私が意匠設計・設計監理を担当したとある病院の建設プロジェクトでした。数年をかけて設計から施工まで携わり、ようやく竣工を迎えたと思った矢先、引き渡し直後に「実は手術室が1つ足りないんです。なんとかなりませんか?」とお客様に相談されたのです。どれだけ考えを巡らせ、経験を積んで良い設計をしても、計画の初期、基本構想が甘ければお客様のニーズは満たせないのだと痛感しました。そこで、「もっと川上からプロジェクトに関わりたい」と強く感じ、CM(コンストラクションマネジメント)の世界へ飛び込みました。

初めてのプロジェクトで、設計時代の経験が活きた瞬間

前職でも病院設計を中心に携わってきたということで、プラスPMで初めて任されたプロジェクトも稼働中の民間病院を現地で建て替えるというものでした。このプロジェクトは、規模こそ大きなものではありませんでしたが、通常の診療を行っている病院の一部を建て替えるというものだったので、工事で発生する振動や音への配慮、安全性の確保はもちろん、工事現場となっている建物に存在する診療機能をどこに仮移動させるかなどのローリング計画の検討や、様々な試行錯誤が必要となりました。私が参画したときにはすでにプロジェクトが動き出していたのですが、その段階で検討されていた配置計画や諸室リストを見て、病院建築の専門家として様々な意見出しを行いました。転職のきっかけとなった「もっと川上から関わりたい」という思いが形になった瞬間でした。

止まったプロジェクトを動かす。予算の壁に挑んだ日々

その後も病院を中心に様々なプロジェクトに関わってきました。
たとえば2021年に開院した県立宮崎病院。このプロジェクトは、基本構想段階での建設事業予算が185億円だったものが、基本設計終了時に316億円に大幅に増加し、議会で予算化が見送られてしまいました。それを受けて、この状況を打開するためにCMの導入が決定されたのです。プロポーザルの結果当社が選ばれ、私がCMr(コンストラクション・マネジャー)として担当する事になりました。予算オーバーでストップしている状態のプロジェクトを再び前に進める、これは生半可なことではありません。「とにかく考えつく限りのことはすべてやろう!」という意気込みで、県・病院・設計の担当者など、あらゆる人に直接会いに行き、それまでの経緯や状況を把握することに努めました。また、社内の病院建築に造詣の深いメンバーやマネジメント経験の豊富な先輩社員に声をかけ、様々な視点から意見をもらい、議論を重ねました。

その中で、CMrとしてできること・すべきことを明らかにし、その実施の際にはプロジェクトに関わる全ての人の協力を得ながら、最終的にはなんとか再設定された予算に収める道筋を立て、プロジェクトを前に進めることができました。大きなプレッシャーに潰されそうになったり、複雑な課題にぶつかることがあっても、一人じゃできないこともチームでなら解決できる。そう実感できた思い出深いプロジェクトです。このプロジェクトは後にCM選奨2022にて「CM選奨」を獲得しました。まさに、チーム全員で獲得した賞だったと思います。

複雑な課題にぶつかったら、まず誰かに声をかける

良い話ばかりしてきましたが、先にもお話しした通り、このCMrという仕事は壁にぶち当たることが日常茶飯事です。そもそも私たちが扱うプロジェクトは土地、工期、予算、複雑なステークホルダーとの関係など様々な調整課題を抱えているものが大半です。なので、行き詰まったら、とにかく知見のありそうな人を集めて30分でもいいからミーティングをするようにする。一人で抱え込まず、誰かに相談すること。それが、解決への第一歩だと思っています。もちろん相談を持ち掛ける段階で自分なりに課題を考察し、解決までの道筋を描いてはいますが、本当にそれがベストなのかはわかりません。話し合うことで新たな道が見つかることもあるし、自分の中に新たな視座ができます。私はそうやって困難を乗り越えてきました。

ひとつずつ解きほぐす。CMの仕事は“整理する力”が試される

あとは、仕事で追い詰められているときは「あれもこれも」の状態になっているのだと思っています。1つ1つの課題は、よく考えれば解決可能なことが多いです。しかし、複数の課題がいっぺんに押し寄せてくると、途端に難題に感じたり、太刀打ちできない巨大なものに思えてくるのです。実際にCMの仕事は様々なことを同時並行でやっていかなければいけないのですが、それで行き詰まってしまっては元も子もありません。だからそういうときは一度全部切り離して、今一番やらなければいけない「ひとつのこと」に集中するようにしています。それが終わったら次に着手する。そしてまたその次に行く。そうやって繰り返して、こんがらがって複雑化した課題を解きほぐすことが大切だと思っています。
塊のままでは処理できない問題も、小さく切り分ければ意外と何でもないことだったりします。

育てる立場になって気づいた、個性に寄り添うマネジメント

いま私は、チーフマネジャー兼執行役員という立場になりました。自分一人がスキルアップすればいいという段階はとっくの昔に過ぎ去り、今は優秀な人材を育成する側の立場にいます。そのときに大切にしていることが「社員一人ひとりの個性や志向性、目指すキャリアを大切にしながら伸ばしていく」ということです。当社にはリーダー層で形成する「人材育成チーム」で定期的に会議を開催しており、指導する側の人間が闇雲に自分が良かれと思う指導をすることがないように、社員一人ひとりに焦点をあててどのように成長を支援していくかを話し合うことにしています。今後は実務での活躍だけでなくマネジメントができる人材を増やし育てていき、より強く大きな組織となって、より多くのお客様の課題に向き合っていきたいです。