コンストラクション・マネジメント 株式会社プラスPM

お客様の声病院

医療現場の声を聞き、第三者の視点でアドバイス
「居ながら改修」で地域ニーズに応える病院へ

社会福祉法人 親善福祉協会 国際親善総合病院社会福祉法人 親善福祉協会 国際親善総合病院

社会福祉法人 親善福祉協会
国際親善総合病院

病院の運営を続けながらの改修工事には、騒音や振動の問題、敷地の制約、病床稼働率の維持など、たくさんの課題があります。また、医師やスタッフ間の意見調整や設計・施工会社の選定も必要。これらの難題を乗り越え、地域のニーズに応える病院へとリニューアル+増築を成し遂げた、社会福祉法人 親善福祉協会 国際親善総合病院の事例を紹介します。

読みづらい「居ながら改修」のコスト

国際親善総合病院は、横浜市西部エリアにおける急性期地域中核的病院。江戸末期、外国人居留民のための公共的な病院として開院した「YOKOHAMA (PUBLIC) HOSPITAL」をルーツとする歴史ある病院です。

社会福祉法人 親善福祉協会 国際親善総合病院 経営企画室室長の田崎雅也様

社会福祉法人 親善福祉協会 国際親善総合病院
経営企画室室長の田崎雅也様

既存施設は1990年の新築から約25年が経過しており、設備の老朽化、建物の狭隘化、病院機能の低下、病棟療養環境の低下といった課題を抱えていました。国際親善総合病院経営企画室室長の田崎雅也様は「空調の効きが悪く、漏水もあり、何とかしなければというのが改修のきっかけでした。検討するうちに、救急医療の態勢を充実したい、6床病室を改善したいなど、設備以外にも改修したいところが挙がってきたのです」と振り返ります。

とはいえ、新築とは違って「居ながら改修」では、坪単価がどのくらいかかるのか、総額ではいくらになるのか、コストが事前に読めません。「工事の途中でコストが膨らんだ場合に、他を削ってバランスを取るような細かいコスト管理が欠かせないと感じました」(田崎様)。そのためには病院建設に詳しい支援者が必要と考え、銀行を通じて紹介されたのがプラスPMでした。

外部の視点を取り入れた優先順位づけ

病院の改修プロジェクトを進めるにあたっては、どこをどのように変えるのか、変える部分の優先順位をどのようにつけていくのかも、難しい問題です。「医療従事者はそれぞれの部門のプロフェッショナルなので、皆が一家言を持っています。経営サイドの方針と、各現場の要望を整理して、誰もが納得できるプランにまとめるためにも、中立的な第三者に入ってもらいたいと思いました」(田崎様)。

一番の問題は、限られた施設スペースをどう配分するか。同病院の場合は、約300床の病室の用途を決めるために、病院としてのあり方を再確認することから始めたといいます。「われわれにとって、地域の中核病院として急性期医療を存続させることが一番の命題です。それを最優先にすることを共通認識にしようと決めました」(田崎様)。

高齢人口の増加に伴い、地域の医療ニーズは新築当初の外来中心から、救急医療の充実へと変化しています。ただし、緩和ケアや周産期医療も、地域にとってなくてはならないもの。院内会議で挙げられた意見を基に、これに対応できる病室も用意することになりました。

院内の合意を形成するために、田崎様が中心となって、施設管理部門や各職域の所属長をメンバーとする準備室を設立。ここでの意見を集約して方針をまとめ、誰でも参加できる説明会も開きました。「50人もの職員が集まり、会場の食堂がいっぱいになりました」という田崎様の話から、改修プロジェクトに対する院内の関心の高さが伺われます。

しかし、管理職の要望を聞いてまとめた整備方針は、現場スタッフにとって必ずしも使いやすいものになっていない面もあったようです。そこで、改修するエリアごとに、コンセントの位置など具体的な希望を聞いて反映。「院内新聞を発行してプロジェクトの進捗状況を公開する、着工後も工事箇所の事前アナウンスを徹底するなど、情報共有に努めました」(田崎様)

稼働率を下げない工事ステップを検証

プラスPM シニアコンサルタント 森本泰弘

プラスPM シニアコンサルタント 森本泰弘

院内の意見集約をサポートしつつ、その要望を改修の基本計画に落とし込んだのが、プラスPMの森本泰弘シニアコンサルタントです。病院の改修では、工事中にも病室の稼働率を下げないことが求められます。そのためには、工事をする場所を別の場所へ移動させながら進めていく必要があります。

このプロジェクトでは、駐車場に別棟を増築して事務部門を移し、既存棟にできた空きスペースに診療科を移し変えていくことになりました。患者さんが駐車場から増築棟のエレベータを使って既存棟へ降りられるようになり、敷地の段差を解消してバリアフリーを実現する効果もあります。

駐車場だった敷地の一角に増築棟を建設し、既存棟の機能を移して空きスペースを確保。そこへ診療部門を移しながら工事を進めた

駐車場だった敷地の一角に増築棟を建設し、既存棟の機能を移して空きスペースを確保。そこへ診療部門を移しながら工事を進めた

「優先順位の高いところから着手する、患者さんへの影響を最低限にする、空調を使わない秋春に進めるなどの条件を勘案し、スペースと機能をパズルのように動かすストーリーをつくりました」。そう話す森本シニアコンサルタントは、認定ホスピタルエンジニアの資格を持ち、病院建築の経験が豊富なCMR。20ステップにも及んだ工事ステップの検証は、病院施設の使われ方と建築技術の両方を理解しているからこそできたことです。

工事ステップの検証

プラスPMの作成した仕様書を基に、同病院は設計と施工を請け負う建設会社を募集。森本シニアコンサルタントは、応募4社の提案内容とコストの比較表を作成し、選定をサポートしました。「建設会社各社のプレゼンテーションを企画して、評価委員の方々が公平に採点出来るように、細かな採点基準を病院側と相談しながら作成しました」(森本シニアコンサルタント)。

「各社のコストや提案内容を関係者に分かりやすく示してくれたので、私も院内に説明しやすかったし、方向性が変わったときも別の選択肢を選ぶ判断材料になりました」と田崎様は評価します。

新築に比べ4割の建設費で納得の性能

再整備が完了した国際親善総合病院は、増築部に緩和ケア病棟をオープン。がん診断からシームレスな医療を実践しています。本館では、諸事情によって休止せざるを得なかった産科の分娩も再開し、院内に久しぶりの産声が響きました。

最終的にこのプロジェクトでは、3年半に及ぶ工事期間中、病床数を90%確保しながら改修工事を実現することができました。プラスPMの試算では、既存改修+増築にかかった建設投資コストは、新築の場合と比較して40%に収まっています。また、外来患者数や救急の受け入れ患者数が増加し、経営にもいい影響がありました。設備を更新したことで、エネルギーコストも年間10%以上は削減できる見込みです。

とはいえ、病院施設は工事が無事に完了しても、使用してみて初めて分かる小さなギャップが必ずあるもの。そんなときにも心強いのが、設計施工一括発注のいいところです。「施工者のゼネコンが設計も手掛けているので、レイアウト修正などの要望にもスムーズに対応してもらえました」(田崎様)。

第三者の立場から全体を俯瞰したアドバイスができるCMRの介在によって、経済的にも性能的にも納得感のある改修+増築が実現しました。

担当者から

お客様がよりよい判断を下すための材料を提供

プラスPM東京支店
シニアコンサルタント

森本 泰弘

私たちプラスPMのCMRは、建設プロジェクトの成功に向けて、お客様のよき伴走者でありたいと思っています。建築プロジェクトのマネジメントのプロとして、お客様がどうすれば限られたコストで希望どおりの施設を実現できるかを考え、さまざまな選択肢を用意します。今回のプロジェクトでは、設備をコンパクトにすれば、その分のスペースを病棟に回せることや、斜面の駐車場に建物を増築し、工事中は病室などの機能を移動させる空き面積を確保し、竣工後は緩和病棟として収益を上げることなどを提案。建設会社の選定においても、各社の提案内容とコストを精査し、メリットとデメリットの両方を併記した資料を作成して、お客様がよりよい判断を下せるようにお手伝いしました。

建築概要

工事名称国際親善総合病院再整備計画
事業主社会福祉法人 親善福祉協会
所在地神奈川県横浜市
建物用途病院(287床)
構  造増築棟/S造、既存棟/RC造一部S造
階  数増築棟/地上4階、既存棟/地上4階・地下2階
延床面積病院全体延床面積 20123.43m2(増築部分 3235.23m2
コンストラクション・マネジメント株式会社プラスPM
設計監理戸田建設株式会社
施  工戸田建設株式会社
工  期2014年8月18日から2018年3月31日

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