お客様の声商業施設
ASEANと日本の合同プロジェクト。
トラベロッジ本町大阪は、なぜ異例の速さでオープンできたのか
Plenitude Bhd.
トラベロッジ本町大阪は、2022年9月末に大阪市中央区本町にてオープンしたミッドスケールホテルです。マレーシアの上場企業であるデベロッパーの「Plenitude Bhd.(プレニチュード)」がホテルを取得、フルリニューアルし、イギリス最大の独立系ホテルブランド「Travelodge(トラベロッジ)」のアジア現地法人Travelodge Hotels (Asia) Pte. Ltd.が運営しています。
このホテル建設は、プレニチュードにとって日本初進出の事業でありながら、関係者がシンガポール、マレーシア、日本の3ヶ国を跨ぐ複雑なプロジェクトでした。にもかかわらず、基本構想からわずか7ヶ月で営業開始を実現しています。
その裏には、マレーシアに拠点を置くPlus PM Consultant Sdn.Bhd.と日本のプラスPMの連携がありました。ホテル側はなぜ急いで営業を開始したかったのか、日本とASEANの商習慣の違いをどのように乗り越えていったのか。海外の企業が日本で建設プロジェクトを進める際に、Plus PM Consultant Sdn.Bhd.とプラスPMが果たす役割についてご紹介します。
ビジネスチャンスを見据えた7ヶ月でのホテル改修事業
Plenitude Berhad
Project Department Senior Manager
Phuvan Selva Vela
「これまでも、これからも、日本は世界的に見て魅力的な国です」と、プレニチュードのPhuvanさんはおっしゃいます。新型コロナウイルス感染症の影響で国を越えた移動が難しくなり、全世界で観光業は大打撃を受けました。日本が欧米に比べて厳しい水際対策を行っている最中である2022年2月から、トラベロッジ本町大阪の建設プロジェクトはスタートしました。もともと建っていたビジネスホテルを改修し、トラベロッジブランドの新たなホテルをオープンさせる計画です。 「日本は厳格な水際対策を行っていましたが、その中でも徐々にウィズコロナにシフトしている様子が見て取れました。水際対策が緩めば、また多くの外国人観光客が日本を訪問するのは目に見えています。なので、このビジネスチャンスを逃さずに日本進出しようと決めました。現に、トラベロッジ本町大阪が開業した直後に外務省は水際対策を緩和しています」(Phuvanさん)
プラスPM(Plus PM Consultant)コンサルタント
矢田 祐次郎
トラベロッジグループは世界各国でホテル事業を展開しています。トラべロッジグループのホテルのなかでもトラベロッジ本町大阪の魅力は、大阪市中央区本町というロケーションの良さや、効率的にデザインされた広い客室やバスルーム、サービス品質の高さ、そして交番のそばに建っているという安全性などがあります。
マレーシアと日本のプラスPMが連携し、日本進出の架け橋となる
プラスPM 冨田 千佳
今回のプロジェクトは、日本とマレーシアの両国にCMrを配置し、Plus PM Consultant Sdn.Bhd.がプレニチュードの窓口となってホテル建設に関する要望を取りまとめ、日本のプラスPMグローバル事業部が設計施工会社をマネジメントするという体制で行われました。
「今回のプロジェクトで大切なことは、日本に観光客が戻ってくるまでにホテルを開業させることです。遅れは許されません。しかし、我々は日本初進出ということもあり、日本における建設プロジェクト推進のノウハウや建設会社とのコミュニケーションに不安を抱えていました。この課題を解決するには、CMを活用することで3ヶ国間の文化の溝を埋め、建設会社や関係各所とのコミュニケーションを円滑にするしかないと考えました。CM会社には2つ候補がありましたが、日本の建設会社やホテル関係者にどこが良いか聞いたところ、プラスPMを推薦してくれました」(Phuvanさん)
実際にプロジェクトが動き始めてみると、建設そのものというよりも、マネジメントの仕方や、関係各所との合意形成などに苦労することが多かったそうです。
「たとえば、改修前からホテルに入居しているテナントとの交渉に難航しました。新しいホテルは、当然トラベロッジブランドに合った外観・内装に一新されます。入居しているテナントにも、外観をトラベロッジのブランドイメージに合う外観に改装することをお願いしていましたが、はじめのうちはスムーズにことが進みませんでした。しかし、プラスPMが丁寧に交渉と提案を重ねてくれたことで、トラベロッジのブランドイメージに合っていて、かつテナント側の希望にも沿った外観に仕上がりました」(Phuvanさん)
予定よりも3ヶ月早く開業! オープン直後から稼働率80〜90%に
実は、当初のスケジュールではホテルの開業は12月となる予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症収束後のビジネスチャンスを逃さないため、様々な手法を取入れ計画を3カ月短縮。国境を越えた複雑なプロジェクトであったにも関わらず、たった7ヶ月でホテルを開業させることができました。Phuvanさんは、このプロジェクトが成功した要因について、こう話します。
「一番良かったのは、プラスPMチームとプレニチュードが良いチームになれたことだと思います。国も文化も言語も違うなかで、互いに認め合い、協力し合って、心を開くことができました。だから、たった7ヶ月でホテルを開業することができたのです。プラスPMのサービスに大変満足しています」(Phuvanさん)
9月末にオープンしたトラベロッジ本町大阪は、このインタビューが行われた11月初旬の段階で、すでに稼働率80〜90%となり、順調なスタートを切りました。
ウィズコロナの時代に突入し、外国人観光客も一時期より増加してきました。それに合わせて、日本での建設プロジェクトを検討する海外の企業も増えてくるかと思います。プラスPMとPlus PM Consultant Sdn.Bhd.は、日本に進出したいと考える海外の企業を全力でサポートします。
広くゆったりとした客室は部屋毎に大阪の名所があしらわれたアクセントクロスが使用され、ロビーにはコワーキングスペースも併設している
担当者から
「日本進出」を成功に導くお手伝い
プラス PM(Plus PM Consultant )
コンサルタント
コンサルタント
矢田 祐次郎
本プロジェクトは、お客様にとっては日本初進出、当社や設計施工者にとっては初めてのインバウンド・プロジェクトでした。
私自身も未経験のことであったため、最初はプロジェクトの進め方に不安がありました。Plus PM ConsultantとプラスPMが協力し合い、お客様が求めていることを一つひとつ紐解くことで、その不安はすぐに解消されました。
今回、初めてばかりのプロジェクトにも関わらず、成功に導けたのは、プロジェクトチームが強い信頼関係を築き、一枚岩となれたからだと考えています。その信頼関係は、一朝一夕のものではなく、プロジェクトの問題に対してお互いが納得するまで話し合うことの積み重ねからできたものです。お客様も、時間を惜しまず相談に乗ってくださいました。
トラべロッジ本町大阪は、ビジネスでも、観光でもどんな目的のゲストにとっても、便利かつ快適なサービスを提供できるホテルだと確信しています。
プラスPM大阪本社
冨田 千佳
日本にいながら、海外のお客様のお仕事をさせていただけて、大変光栄でした。コロナ渦で、お客様が日本に来ることが難しく、実際に現地を見る時間が限られていても、安心してプロジェクトを進められるお手伝いができたと思っております。
当社が第三者的な立場で、設計施工者との打合せや現地確認を実施したことで、WEB上では伝わらない部分も補填できました。また、お客様の設計施工者へのご要望も、海外のプロジェクトを経験してきた当社のメンバーにより、スムーズに伝達が出来ました。
今後、海外から日本のプロジェクトを進められるお客様は増えていくと考えています。今回の経験は、海外のお客様が安心して当社にプロジェクトを任せていただける第一歩につながったと感じています。
建築概要
事業主 | Plenitude Bhd. |
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運営者 | Travelodge Hotels (Asia) Pte. Ltd. |
工事場所 | 大阪府大阪市中央区 |
敷地面積 | 600m2 |
建築面積 | 380m2 |
構 造 | RC造 |
階 数 | 地上14階建、総部屋数138室 |
延べ面積 | 4,100m2 |
コンストラクション・マネジメント | 株式会社プラスPM |
設計監理 | 株式会社ラックランド |
施 工 | 株式会社ラックランド |
工 期 | 2022年2月~2022年9月 |