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病院建設

病院建替事業の計画初期段階で費用対効果を高めるポイント

病院の建設・建替事業で費用対効果の高い施設を実現するためには、計画初期段階でプロに相談することが重要です。運営方針(ソフト)や施設計画(ハード)の2つの視点から検討し、イニシャルコスト・ランニングコスト双方のコストを踏まえた総合的な判断が必要となります。

病院の建設・建替えは、他の施設に比べ特に専門性も高く事業を進めていく上で考慮するべき点も多いため、計画初期段階でいかに多方面から検討し、過不足の少ない計画策定ができるかが全体を通して特に重要な部分となってきます。

この記事では、病院の建替事業の計画初期段階において、ソフトやハードそれぞれの側面から計画を考えたときに考慮するポイントと、コストメリットを高める具体的な計画策定の進め方について病院建設のプロの立場で解説しています。

※2019.9.16改訂(2017.4.12公開)

病院建替事業の初期段階で検討する2つの視点とは

病院の建替事業をスタートするときには、経営者や病院スタッフなどそれぞれの立場でも考え方や注目するポイントは異なってきます。特に計画の初期段階では、運営方針など経営に関わるソフト面の視点と、施設計画など実際の病院施設に関わるハード面の視点から検討が進みます。

運営方針(ソフト)から計画を考える

主に病院の経営者や経営幹部の立場では、その時の経営状況と将来像を踏まえ、ソフト面を充実させたいと考えるケースが多くあります。

外部環境の変化と医療政策の動向を踏まえた施設計画を策定しないと、将来の病院経営において機能過多となり、経営難に陥る可能性があります。また、計画は立てたが仕様が予算に合っておらず実現ができないということもあります。

施設計画(ハード)から計画を考える

病院内で働くスタッフの立場では、実際に施設の使い勝手を考慮しハード面を優先したいと考えるケースが多くあります。

治療に必要な諸室の充実や医療機器の質や量の確保など、施設計画を満足させることを優先しすぎてしまうと、過剰設備となり初期投資費用が膨らむとともに、実際の運営時にも収支のバランスが取れない状態に陥る可能性もあります。

このように、ハードもソフトもそれぞれの面だけで建替事業の計画を考えてしまうと、別の面で不都合が生じてしまいます。本来はハードもソフトもバランス良く計画策定を進めていくべきですが、なぜ別々で考えてしまいがちなのかというと、それぞれの専門家が存在することが原因としてあります。

病院建替事業を誰に相談するか

ソフト面での相談は、一般的に病院運営や経営方針に関する相談先である医療経営コンサルタントといった医療や経営に特化したコンサルタントが選ばれ、ハード面での相談は、建物を建てることのプロである設計事務所やゼネコンが選ばれることが多いのが現状です。

これらの専門家に対し、ハード・ソフト両面をバランス良く考えたい場合は、コンストラクションマネジメント会社という第三の選択肢も挙げられます。

各種相談先とコンストラクションマネジメントの役割については、「病院建設をコンサルタントに相談する3つのメリット。建設特化のコンサルタントとは?」という記事で詳しく解説していますので、こちらも併せてお読みください。

費用対効果を高めるには2つのコストをバランスさせることが大事

費用対効果の高い施設を実現するためには、ハードとソフト両面から検討した上で、2つのコストをバランスさせることも重要です。病院建替事業におけるコストは、建設費としてのイニシャルコストと、建替え後の運営にかかるランニングコスト両面から考える必要があります。

ソフト面を重視してイニシャルコストを抑えようと、建設会社に計画の初期段階で金額の上限を指定して依頼することがあります。その場合予算に収めることが第一目標となり、運用により収益が見込める機能まで削減してしまうという本末転倒な結果に陥る可能性があります。

ハード面を重視して充分すぎる機能を備えた病院施設を建てた場合、建替後の運営にかかるランニングコストが増大してしまう可能性があります。また、イニシャルコストを抑えるために設備投資に渋り古い設備のまま運営することで、燃費が悪いことが原因で逆にランニングコストが増えてしまい、収支計画に支障が出るケースもあります。

イニシャルコストは目の前で可視化されるコストのため分かりやすいですが、ランニングコストは建替後の病院運営に影響してくる一見分かりにくいコストです。双方を加味したバランスの良い建替計画を策定する必要があります。

費用対効果の高い病院建替事業を実現するための進め方

病院建替事業の計画初期段階では、ハードとソフト2つの視点からの検討と、コストを含めた総合的な判断から取捨選択していくことが重要です。実際に費用対効果の高い病院建替事業を実現するためには、計画初期段階にコンストラクションマネジメント会社へ相談するのがおすすめです。

コンストラクションマネジメントとは、建設事業において事業主と設計者・施工者の間に立って事業計画を進行するコンサルタントです。コンストラクションマネジメント会社に相談することで、建替事業計画の初期段階から一緒に基本構想を考えられ、施設建設段階でも計画進行を任せられます。

計画初期段階におけるコンストラクションマネジメント会社の具体的な進め方について、以下で説明します。

  • 将来予測や分析をもとに病院運営方針(ソフト)を固める
  • 病院運営方針で固めた機能が、建物(ハード)に計画可能かどうかを検討
  • 建設費と、運営時の収益を検討し収支が成り立つかを検討

例えば、病院側から病床が200床必要であると伝えてしまうと、設計事務所では妥当性を充分に検討することなくその通りに図面を書くことがほとんどです。しかし、CM会社は本当に必要かどうか分析をもとに検討し、その上で実際建物に計画可能か判断した上で設計に進みます。

一方でコスト面のアプローチとしては、イニシャルコスト(建設費)が大きく、収支が悪い状態であれば、収益が上がる機能を残しつつ不必要な機能がないかを検討し、運営方針(ソフト)の見直しを行います。同時に、建物側(ハード)は、効率的に運用できるよう配慮しながら面積の削減調整を行い、建設コストを削減するといった方法を取ります。

病院建替事業の計画初期段階で費用対効果を最大化するためには

病院建替事業の計画初期段階においては、2つの視点やコストといったさまざまな面から検討する必要があることを説明してきました。

費用対効果の高い病院施設を実現するためのポイントは下記の通りです。

  • 計画初期段階ではソフトとハード両面を考慮した計画策定を行う必要がある
  • コストはイニシャルコストだけではなく、ランニングコストも考慮する必要がある
  • 医療コンサルや設計事務所、ゼネコンなど相談先となる専門家にはそれぞれ得意分野がある
  • ハードとソフト両面に精通したコンストラクションマネジメント会社に相談することで、費用対効果の高い建替事業が実現できる

プラスPMは、コンストラクションマネジメント会社の中で特に病院建設に強みを持っています。これまでも多くの病院施設のプロジェクトに参画してきました。病院建設・建替えでお悩みの方は、プラスPMに一度ご相談ください。

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