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病院建設

"最適な設計者"を選定するためのポイントを解説します!

当社は多数の病院様からご相談をいただいていますが、中でも「どうやって設計者を選んだらよいのかわからない」というご相談が大変多く寄せられます。

「誰に、どのように頼んだらいいのか。どのように選べばいいのか」

「知り合いに設計事務所がいるのだけど、お願いしても大丈夫だろうか」

「そもそも、どんな設計事務所があるのかわからない」

病院様にとって、建設プロジェクトは数十年に一度の一大事業であることがほとんどです。今回は、その一大事業を成功に導くため、今後の病院経営がかかった「設計」を任せるのに相応しい設計者を選定する方法を、ポイントを絞って解説いたします。

"最適な設計者"とは、なにか

病院設計は高難易度

そもそも、皆様は「病院の設計」にどんなイメージをお持ちでしょうか。

実は「病院の設計」は、色々な建物の中でも高難度の設計と言われています。それは、以下のような理由によります。

  • 健康ではなく様々な配慮が必要な人:患者がメインユーザーであること
  • スタッフにも国家資格保持者をはじめとする、多職種の人がいること
  • 病院という機能自体、専門性が高く医療の中身を理解していないと設計ができないこと

また、患者・スタッフ・物品・食事・救急・遺体など多様な動線があり、それぞれ他の動線と混じってはいけないものが存在するなど、動線設計が非常に難しいことが挙げられます。
よって、"最適な設計者"には、病院設計の経験や知識が必須条件となります。

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"最適な設計者"とは"最適なパートナー"

しかし、"最適な設計者"に必要なのは、単に病院設計の技術力だけではありません。

病院建設プロジェクトの特徴の一つは、期間の長さです。設計だけで1年、場合によっては2年の期間が必要になり、また工事期間もほとんどの場合数年に及びます。
よって、選んだ設計者とは何年もの期間を、共に建設プロジェクトの成功を目指して進んでいかなければなりません。即ち、"最適な設計者"とは、共に事業を形にしてゆく"最適なパートナー"に他なりません。

"パートナー"には対応力・対話力が必要です。

そして、事業計画にとって最も重要な事は何かをすこしずつ明確にし、その考えに沿った的確な設計提案の能力をもっていなければなりません。

設計者に「的確に」要求を伝えるために重要なこと

設計者に想いを伝える要求水準書

では、"最適なパートナー"を選ぶにはどうすればよいのでしょうか。

そのために先ず大切なことは、その病院建設事業に対する、病院の想いを伝えることです。

設計者は、当然設計におけるプロフェッショナルです。しかし、事業の理念や目的、重きを置いているものは何なのか、事業スケジュール、事業予算といった内容がわからないままでは、その力は十分に発揮されません。それらを伝えるのが「要求水準書」です。

これが設計者選定の重要なポイントの一つです。

先ほどの理念や今後の事業計画の内容はもちろん、想定される必要諸室や大切にする動線などを記述することが必要です。
なぜならば、それらを適切な建築言語に変換し、自分の技術力を駆使して、病院の想いを叶えるために設計図面を作成することが、『設計』そのものだからです

提案力を引き出す技術提案テーマの設定

もう一つの重要ポイントは技術提案テーマの設定です。
この事業の設計にとって「最も重要なもの」は何なのか、それを設計者の技術提案テーマに盛り込むことです。

■事例:A病院の場合

A病院は、病院の理念として、病院を育ててくれた地域への貢献を何よりも大切に考えていました。
また、時間をかけてスタッフと練り上げた基本構想を踏まえた設計としたいとも考えていした。そこで、設計者選定における技術提案テーマの内の一つは、以下の様に設定するようにご支援しました。

『地域へ貢献できる事業基盤の整備に向け基本構想を踏まえて、A病院が果たすべき地域貢献を具現化できる具体的な施設整備の提案を求める。』

この病院の設計では、地域の人々が利用しやすく、視認性のいい位置に、地域の方々のための集会施設が設置されることとなりました。

設計者から出された提案を評価するために重要なこと

病院が求める能力に合わせた評価基準が必要

設計者が知恵と技術を絞った技術提案書が提出されても、それを適切に評価できる準備が無くては、正当に評価することはできません。
評価基準は、法人としての理念や考え方に合ったものである必要があります。

■事例:B病院の場合

B病院は医療生活協同組合を母体とした病院でした。
組合員、すなわち近所にお住いの方々の出資によって成り立っている病院であり、病院のスタッフ・組合員と一体となって設計ができる設計者を望まれました。

よって、評価軸には

『組合活動や地域貢献における有効な提案がなされているか』
『組合員参加型の設計・施工工程か』

といった評価軸の設定を支援しました。

病院が何を大切にするのか。それを評価軸に定めることが重要です。

設計会社だけでなく「設計担当者」の評価を

先ほども述べたように、設計者とはとても長く付き合うことになります。
いかに素晴らしい実績や技術者のいる設計事務所だとしても、実際に付き合うのは、「設計担当者」です。そして、技術提案書の内容は「設計担当者」でなくても作成できます。

ぜひ『プレゼンテーション』の機会を設け「設計担当者」自らに発表を求めてください。受け答えの能力、思考の柔軟性、受け身でなく提案能力があるのか、コスト意識は高いか。
短い時間ではありますが、適切な質問を投げかけ、回答の仕方・内容を吟味して、最適な「設計担当者」を選定してください

設計者選定の失敗は大きな事業の手戻りになる

さて、ここまで読まれた皆様、"最適な設計者"="最適なパートナー"を選ぶ準備はできましたでしょうか。

残念ながら、当社の業務では、設計が始まってから参画を求められるケースが多くあります。
そういった場合、たいていは設計者が"最適なパートナー"になり得なかったため設計が思うように進まず、困り果てて当社にご相談にやってきます。

結果、設計が途中まで進んでいるにも関わらず、止む無く設計者を変更し、設計者選定をやり直すこともあります。そうなっては時間と費用の大きな浪費となり、事業の手戻りが発生してしまいます。

最適な設計者を選定するために重要なこと

最適な設計者を選ぶためには、準備が必要です。
その建設事業の理念や目的を明らかにし、病院の想いを伝える「要求水準書」を作成し、適切な評価を行える「評価基準」を設定しなければなりません。

これを読まれた皆様には、是非、ポイントを押さえた設計者選定を行っていただけたら、と思います。

私共にはこれまでの数々の設計者選定を実行してきた経験と、"最適なパートナー"を選ぶノウハウがあります。
最適な設計者を選定するのも、「CM(コンストラクションマネジメント)」の業務です。

病院建設などをお考えの際には、是非私共にご相談ください。


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