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建設費の市場価格は、その時々の社会経済の動向に大きく影響を受けてきました。
2008年のリーマンショック後に一旦大きく下落した建設費は、その後の東日本大震災の復興事業、消費増税そして東京オリンピックの建設特需などで高騰し2019年以降は高止まりで推移しています。
このような建設市況下において、新たな建設投資をお考えの事業者様にとって建設費を予算内でコントロールすることは容易なことではありません。
今回は建設費を管理する上で、特に重要となる設計段階におけるコストマネジメントについてある事例をもとに解説します。
当社によくあるご相談内容で、
「設計会社の工事費概算が予算超過しているが何とかできないか」
「建設会社の見積が予想外に高額でプロジェクトを進めることができない」
などの、設計が終わった後での建設費の予算超過に対するものは少なくありません。
今回ご紹介する事例は、
「実施設計が完了し工事発注のためにゼネコン各社から見積提案を募集したところ、予算より2割以上も超過した内容となってしまった。なんとか価格を圧縮できないだろうか」
といったご相談でした。
お客様が直接設計会社にどうしてこのような結果になったのかを確認されたところ、設計会社からの回答は、
「設計内容はお客様の要望通りの設計仕様である」
「過去の類似物件は坪当たり○○万円だったから今回も予算内に納まる想定であった」
「想定以上に材料費や手間代が高くなってしまったので仕方のない部分がある」
というものでした。
これらの回答から容易に推測できることは、基本設計完了の時点で建設費の概算を算出し、予算に対してコストがどうなっているか、などの確認をしないまま実施設計に進み、設計業務を完了してしまった、ということです。
もし基本設計段階でコスト状況を確認し内容をお客様と共有できていたら、その時点で基本設計内容の見直やお客様による予算調整などの対応措置を講じること可能であり、工事発注段階でご相談いただいたような予算超過の事態にはならなかったでしょう。
この事例においては、既に確認申請も取得できていることからコスト削減のための設計変更は工程に影響のでない限定的な範囲にとどまり、また、お客様の施設運用開始日が変更できないこともあり、ゼネコンへの発注の期間延長も困難な状況でした。
結果として、当社がお客様にご提案できたコスト削減は、
となり、超過額2億円の削減は達成できませんでしたが、最終的になんとかお客様にご容認頂ける金額内に納めることはできました。
しかし、もしも建物構成(階数や床面積、構造など)についての多くの見直し、熱源方式、空調方式などの見直しができれば、得られる結果は大きく違ったでしょう。
今回ご紹介した事例のように、設計を進める段階でコストマネジメントを行わず、設計が完成してしまってから建設費を確認するのでは大抵の場合手遅れです。
仮にこの段階で予算超過により大幅な建設費の圧縮が求められる場合には、設計内容の大きな見直しが必要となります。
そしてその結果、全体スケジュールの遅れと設計のやり直しの費用が発生することになります。
では、本来はどうすべきであったのでしょうか。
まず設計業務は基本設計と実施設計に分かれます。そして設計着手時から基本設計完了までの期間が大変重要で、一般的には基本設計完了時で建設コストは80%程度が決まると言われています。
したがって、この段階でのコストマネジメント如何により事業全体の明暗が分かれるといっても過言ではありません。そのため、基本設計が全て終わる前に進捗にあわせてコストを確認し、適切にマネジメントすることが大切です。
基本設計段階でのコストマネジメントとして実施すべきことは、以下のようになります。
しかしながら、傾向として設計会社はお客様のご要望を設計内容に反映することに注力しすぎるので、コスト管理やスケジュール管理の優先度が低くなるケースがまま見受けられます。
したがって、設計契約時に基本設計終了時点での設計概算の算出業務を盛り込んでおくことも重要となります。
県の中核的な役割を果たす急性期病院として、診療機能の向上及び施設の老朽化・狭隘化の解消を目指し再整備計画を進めたが、基本設計にて大幅に予算超過したため、約46億円の建設費削減を目的にCM会社の参画を決定。
医療機能を維持しながらの計画・コストの適正化を図るとともに、建設費高騰の市況を踏まえての最適な入札方式を構築し、予算内での発注が求められた。
目的達成のために取った手法と効果
B病院は、施設が老朽化しているため、市の事業提案公募により土地を取得し、移転新築することとなった。
本事業は、土地取得にかかる公募条件や補助金を取得するための条件に適合させ、様々なことがらに配慮しながら事業推進を実施する必要があった。
また、当時九州地区では建設コストが高騰しており、予算内で事業を進めることは必須であり、将来の医療環境に適合した可変性のある品質の高い病院を作り上げることが求められた。
目的達成のために取った手法と効果
コスト削減提案 | 削減金額 | |
---|---|---|
■設計段階 プラスPMによるコスト削減 |
6.1億円 | 3.0億円 |
■発注段階 発注方式によるコスト削減 |
8.5億円 | 3.6億円 |
コスト削減効果 | 6.6億円 |
基本計画や基本設計などプロジェクト初期段階では、お客様も新しい建物への夢が溢れ、実現したいアイデアをたくさんお持ちのことと思います。だからこそ夢を現実のカタチとするためにもコストの確認を怠ることはできません。
プラスPMのコンストラクション・マネジメントはお客様側の立場に立ち、コスト、品質、スケジュールの最適化による建設事業の推進支援を行います。
建設コストでお悩みの方は、医療・生産・物流・教育施設等において、多数の新築や増改築計画のコストマネジメント実績のあるプラスPMにぜひ一度ご相談ください。
当社コンサルタントによる初期ヒアリングは無料です。まずはお客様のご要望をおうかがいいたします。