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生産工場・物流施設

生産工場・物流施設におけるCM方式活用のメリットとポイント

前年比13.5%増。この数字は大企業の設備投資計画調査(2019年8月1日発表 日本政策投資銀行)による製造業の2019年度国内投資額です。

その内訳の約半数は生産設備の入替えが占めています。弊社へのお問合せも製造業のお客様からのご相談が増えており、「はじめはラインの入替えだけのつもりだったが、最新の製造ラインとその生産効率の向上を検討した結果、建屋自体を新築することにした」という方がいらっしゃいます。

何故そのような事態になるのでしょう。そしてそのお客様は何故、建替えにCM方式を採用しようと考えられたのでしょうか。いくつかの事例を用いて解説します。

CM方式(コンストラクション・マネジメント方式)とは
「発注者の利益を確保するため、発注者の下でコンストラクション・マネジャー(CMR)が、設計・発注・施工の各段階において、設計の検討や、工程管理、品質管理、コスト管理などの各種のマネジメント業務の全部または一部を行うもの」です。
国土交通省CM方式活用ガイドライン』より引用

関連記事:【動画】コンストラクションマネジメントとは(CMとは)(3:39)

コンサルタントの活用メリットは何か〈3つの事例で紹介〉

1.設計事務所や建設会社と異なる視点

ある製造業のお客様は「気が知れていて建設費が安いから」という理由から、ずっと地元の建設会社に依頼をされていました。しかし、彼らに業務を依頼するには、はじめに具体的で細かな与条件の設定が必要でした。

どの程度の面積・高さの作業室にするのか、そこに設置する設備の大きさや重さ、走行クレーンはどのルートを通すのか、そして工期と予算はどれくらいを見込むのか...必要な条件を、発注者が考えつく限り、予め提示します。
しかし、できあがったはずの建屋は与条件にはフィットするものの、可変性が乏しくなりがちです。

わたしたちも、計画を進める上でお客様に与条件をお伺いしますが、これは予め用意した確認リストを用いて丁寧にわかりやすく、そして、それがお客様の長期的な経営戦略に基づく内容であるか否かをお客様と共に理解するためです。また、内容に違和感があれば代替案を提示するためでもあります。

設計事務所や建設会社はオーダーどおりのものを作ることが目的ですが、我々は施設整備によってお客様の事業が永続発展することに注力しています。その視点の違いが結果として、長い目で見た場合の建屋の適応性、汎用性となって現れるのです。
経営戦略に沿った汎用性の高い施設を作ることが、短いスパンで進化を続ける生産設備とロングライフサイクルの建築物を無理のない状態で長期活用するためには不可欠だと考えています。

2.様々なコンサルタントのまとめ役

あるお客様の社運を賭けたプロジェクトでの出来事です。
「既存施設は社内意見だけで計画したが、今回は外部の知見を柔軟に取り入れることが肝要だ」という経営層の方針により、当該プロジェクトでは経営コンサル、物流コンサル、食品製造コンサルを採用しました。

彼らは当然ながらその職域に精通し、お客様の業界での各分野のトレンドも知り尽くしていますので、最新の有益な情報やアドバイスを取り入れることができました。
しかしながら、施設整備担当とはいっても、日常は施設の修繕や設備更新をメイン業務としているプロジェクト担当者にとって、様々なコンサルタントからの意見集約を行い、各関係者のコンセンサスを取ることは、かなりの負担だったようです。

「結局は工場を造るための各コンサルタントからの提案なのだから、コンストラクション・マネジメント(CM)のプロであるプラスPMが主導して彼らの提案を取捨選択し、新工場のスペックとしてまとめてほしい」というご依頼をいただきました。

わたしたちコンストラクション・マネジャー(CMr)がマネジメントするのは設計事務所や建設会社だけではありません。
大きなプロジェクトの意見集約に不馴れな担当者のサポートや、他コンサルタントの提案や意見をまとめ、施設整備プロジェクトが円滑に進むようプロジェクト全体をマネジメントしていきます。
本プロジェクトでは、その後、会議のファシリテートや意見の集約をこちらで担い、ご担当者のプロジェクトにかける負荷を大幅に削減することができました。

各コンサルの知見と設計事務所や建設会社の技術をバランス良く盛り込んだ施設が実現し、関係各者から喜びの声をいただいています。

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3.関連会社を使わなければならない場合の知恵袋

親会社よりグループ内の建設会社を使用するように促されたケースです。
グループ内の建設会社は、当該プロジェクトで建設予定の施設について、その用途の経験が乏しかったものの、今後成長が見込める用途であるため「今回の施設建設で実績を積ませる」という親会社の意向もあり、設計施工一括発注(DB発注)を行いました。

お客様は既存施設での経験則からの意見や他事例を引き合いにだされましたが、施設仕様や施工品質に関しては建設会社に意見するまでのノウハウが無く、納得感を得ないまま施設は完成。
いざ使い始めてみれば案の定、不具合や使い勝手の悪い部分が至るところに出てきたのです。

この事例のように大企業グループや協力会社が多いお客様ならではのお悩みにもCMは活用できます。
建設会社や機器メーカーなどを選定する際、「なぜ関連会社を使わないのだ!」という声には、コストや実績などの客観的な理由が立ちにくいものです。関連会社が自社よりもグループ上位の場合は尚更「否」を唱えることが難しいかもしれません。
この大企業グループのお客様は、以前の反省(事例に挙げている計画)を踏まえ、新施設整備の際にわたくしどもにご相談をいただきました。

発注者側の建設技術者としてCMを採用したいという意向でした。当初親会社からの異論もあったようですが、前計画での反省とCMを採用することで得られる効果とコストメリットを示すことで、理解を得られたそうです。

CM方式活用のポイント

経営計画を立てておく

CMrが業務を行う上で拠り所とするのはお客様の経営計画です。

お客様のゴールは建屋を建てることではなく、そこで事業を成長させることが施設建設の目的ですから、上位計画が定まっていないとプロジェクトは正しい方向に進みません。適正な建設予算の設定には経営計画に則したキャッシュフロー計画が必要です。

できる限り初期に導入する

施設整備プロジェクト立ち上げの際には予算と工期、そして基本要求事項の設定をするのですが、それは自社内だけで正しく設定できるでしょうか?

プロジェクト開始期にCM方式を導入すれば、その設定の妥当性検証から始めることができます。
計画は無理のない予算と工期になっているか、設定機能にムダはないか。プロジェクト初期であれば軌道修正が可能ですが、設計が始まってからでは遅きに失することになります。プロジェクトで最も避けなければならないのは手戻り。

無用な時間と手間を浪費しないよう早期のCM方式導入がオススメです。

経営者と実務者、どちらにも最適な施設計画を実現するために

このように、お客様の立場に立った、建設に特化したコンサルタントを参画させることで、供給者側の設計事務所や建設会社と対等にプロジェクトを推進することができます。
そして、CMrがステークホルダー間のハブとしてマネジメントすることで、お客様主導で全体最適化を実現することができます。

施設建設の上位計画や方針を定め、プロジェクト初期段階でCM方式を導入すれば、施設整備ご担当者様は従来の業務を遂行しながら、プロジェクトを進めることができます。

餅は餅屋、施設整備はCMという専門家にアウトソーシングしていただくのが、施設整備プロジェクト成功への手がかりです。その第一歩として、プラスPMにお気軽にお問合せください。


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