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※2022.4.21第2回改定(2016.6.1更新)
近年、建築物の長寿命化という言葉をよく耳にするようになりました。スクラップアンドビルドの考え方のもと、老朽化の進んだ施設は建て替えることを前提としてきた国や地方自治体も「公共建築物の長寿命化計画」を進めています。
このような背景の元、建築物という資産を保有する事業者にとってライフサイクルコストを把握することは、事業そのものの成功を左右する重要なファクターとなっています。
まずライフサイクルコスト(Life Cycle Cost-LCC)について、ここで改めて整理してみます。
『ライフサイクルコスト』は、建物などの企画、設計に始まり、施工、竣工、運用を経て、修繕、耐用年数の経過により解体処分するまでを建物の生涯と定義して、その全期間に要する費用(コスト)を意味します。
つまりライフサイクルコスト(以下LCC)とは、以下の費用の総額ということになります。
建物の耐用年数は用途や構造体によって異なりますが、例えば、鉄骨・鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。
なお、一般的に竣工後の運営維持管理費は、建設費などの初期投資費用のおよそ3~4倍かかると言われています。
では、LCC低減に向けた考え方や取組にはどのようなことが考えられるでしょうか。 建築事業の企画・計画段階で検討できる例をいくつか挙げてみましょう。
ただし上述の例については、事業計画を進める上で建設費と水光熱費、修繕更新費について、計画の段階から総合的にその低減を検討することが重要になります。
また、このようにLCCの考え方を理解していると、建物の価値は長い期間を通じて考えることが大切だということに気が付くでしょう。
見た目のデザインだけでなく、使いやすさ、耐震性、耐久性、更新や修繕のしやすさ、省エネなど目に見えない本質的な機能や性能の適正さが大きな価値を持っているのです。
ライフサイクルマネジメント(LCM)-Life Cycle Management- ファシリティの企画段階から、設計・建設・運営そして解体までのファシリティの生涯に着目して計画、管理を行なう考え方。ファシリティに依存する効用の最大化、ライフサイクルコストの最適化、資源やエネルギー消費・環境負荷の最小化、障害や災害のリスクの最小化を目標とする。例えば、施設を建替えずに改修しながら使用し続ければ、建替え時の解体費用と新設費用が節約できることに加え、それらに係る二酸化炭素排出量も大きく削減可能で、地球温暖化に大きく貢献することになる。日本ファシリティマネジメント推進協会:FMガイドブック参照
つまり建物を低価格で建設することが出来たとしても、その建物を使用する期間中の運営維持管理費を考慮した計画となっていないと、
など、最終的には不経済で高額な投資となってしまうことがあります。
そこで、建物を生涯にわたって最適に活用しながら、運営維持管理費の低減を図り、長期的・戦略的な改修計画を立案し、建物の機能を向上させ、資産価値を上げることが必要になってきます。ここからは、最適なライフサイクルマネジメントの一例を紹介していきます。
運営維持管理の段階でのLCC低減も重要なポイントです。 ここでは、修繕更新費の低減について考えてみます。
修繕更新費算出には、まず建物の現状把握が重要です。そのためには建物状況調査・遵法性調査を実施し、その結果をもとに、緊急・短期・中長期の修繕更新費用を算出することになります。これらの費用の中でも、中長期修繕更新費は戦略的に計画することでコスト低減の効果が期待できます。
例)7年目に空調機を点検した結果・・・
×特に緊急の不具合は無かったので、これまで通りの定期点検を実施した。
→12年目に急に空調機の効き目が悪くなり、機器更新が必要に。急遽工事手配をしたため更新費用が割高になった。
〇特に緊急の不具合は無かったが、リモコン基盤などの一部部品を交換し、これまで 未加入だったメンテナンス契約に加入した。機器の状況をモニタリングすることで、15年目に機器更新が必要と判断。事前に更新工事の見積を複数社から徴収することで、更新費用を抑えられた。
関連:維持管理会社の選定を支援!メンテナンス効率を考慮した再整備計画
:病院における空調設備更新のポイント
中長期の修繕サイクルは一般的には5年、あるいは10年ごとになります。
そしてその項目は、建築・電気設備・空調設備・給排水設備など多岐に渡ります。
無計画に修繕更新を行うと、ある年に工事が重なり
などの理由により、修繕更新費用が高額になります。そこで工事内容を吟味した上で、数年に工事を分散させコストの平準化を図ることが重要です。工事個所を分散させながら効率的に修繕を行う例として
とすることで、外壁に設ける外部足場設置費用を低減することなどが考えられます。
最近の維持保全管理の取組としては、単に管理費の低減だけではなく、企業としての社会的貢献と責任の範囲で省エネルギーへの取組としてBEMSによるビルエネルギー管理や効率的な施設の維持・管理を実現するBIMによるメンテナンスなどがあります。
近年、COP25など世界的な地球温暖化への取組が進むにつれ、限られたエネルギーを最適に管理するツールとして「エネルギーマネジメントシステム(EMS : Energy Management System)」が注目され、その動きは多種多様な企業や地域で利用が広がっています。
オフィスビルや商業ビルにおいてはBEMS(Building Energy Management System)として導入が進んでいます。
具体的には、中央監視室で集めているエネルギー使用実績や空調・照明の利用状況などを分析して可視化し、建物の省エネルギーを支援するシステムです。BEMSを利用することで、エネルギー使用実績などが分析できるため、メンテナンス計画の立案などが効率的に行えます。
竣工後にBIM3次元モデルを活用しメンテナンスすることで、その履歴の詳細なデーターベース化に有益な効果を発揮できます。
BIM3次元モデルには、ファシリティ・マネジメントの基本情報となる、部屋、設備機器、什器などの資産情報が蓄積されています。従ってこれらの情報を活かすことにより効率的な維持・管理を実現することができます。
BIM(ビー・アイ・エム)こと Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)[1]は、建物のライフサイクルにおいてそのデータを構築管理するための工程である[2]。典型的には、3次元のリアルタイムでダイナミックなモデリングソフトウェアを使用して建物設計および建設の生産性を向上させる[3]。この工程でBIMデータを作成し、そこには建物形状、空間関係、地理情報、建物部材の数量や特性が含まれる。 Wikipedia:BIMより引用
建築物の寿命は約半世紀あり、その生涯への投資金額は決して安いものではありません。
建築計画の着手段階から初期投資となる建築工事費の削減と運用維持管理費用の低減に取り組むことは、事業者にとってのビジネスの成功への架け橋になります。
私たちプラスPMは建築のプロとして、経営者の皆様の良きご相談相手となるべく、今後も様々な場面でお役に立つ情報の発信に努めてまいります。
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