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ライフサイクルマネジメント(LCM)を考慮した建設計画を立てよう

※2020.5.14改定(2016.6.1更新)

近年建築物の長寿命化という言葉をよく耳にするようになりました。
スクラップアンドビルドの考え方のもと、老朽化の進んだ施設は建替えすることを進めてきた国や地方自治体も「公共建築物の長寿命化計画」を進めています。

このような背景の元、建築物という資産を保有する事業者にとってライフサイクルコストを把握することは、事業そのものの成功を左右する重要なファクターとなっています。

LCC.jpg

ライフサイクルコスト(LCC)とライフサイクルマネジメント(LCM)

ライフサイクルコストとは

まずライフサイクルコストLife Cycle Cost-LCC)について、ここで改めて整理してみます。

『ライフサイクルコスト』は、建物などの企画、設計に始まり、施工、竣工、運用を経て、修繕、耐用年数の経過により解体処分するまでを建物の生涯と定義して、その全期間に要する費用(コスト)を意味します。
つまりライフサイクルコストとは以下の費用の総額ということになります。

  • 建設費
  • 水光熱費(上下水道代、電気代、ガス代等)
  • 保守点検費(定期点検費、メンテナンス委託費等)
  • 保険(火災保険、地震保険等)
  • 税金(固定資産税等)
  • 修繕、更新費(部品、部材の修繕、取り替え)
  • 清掃費(清掃会社委託)
  • 警備費(警備会社委託)
  • 解体処分費

建物の耐用年数は用途や構造体によって異なりますが、例えば、鉄骨・鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の耐用年数は50年です。
尚、一般的に竣工後の運営維持管理費は、建設費等の初期投資費用のおよそ3~4倍かかると言われています。
では、LCC低減に向けた考え方や取組にはどのようなことが考えられるでしょうか。
建築事業の企画・計画段階で検討できる例をいくつか挙げてみましょう。

可能な限り、長寿命・高耐久の部材(材料)、機器を採用する

  • 老朽化が進む外装材は耐候性のものを採用する
  • 各設備工事に使用する配管材は耐久性のある材料を使用とする

容易に更新や修繕できる仕様を採用する

  • 内装材は劣化しにくく、更新の容易な材料を採用する
  • 日常の清掃が容易にできる材料を採用する

水光熱費低減を検討する

  • 断熱仕様を検討する(外断熱や高断熱材の採用)
  • 安価な深夜電力の利用を検討する
  • 照明消し忘れ防止の人感センサースイッチを検討する
  • 井水や雨水の利用を検討する

ただし上述の例については、事業計画を進める上で建設費と水光熱費、修繕更新費について、計画の段階から総合的にその低減を検討することが重要になります。

また、このようにLCCの考え方を理解していると、建物の価値は長い期間を通じて考えることが大切だということに気が付くでしょう。

見た目のデザインだけでなく、使いやすさ、耐震性、耐久性、更新や修繕のしやすさ、省エネなど目に見えない本質的な機能や性能の適正さが大きな価値を持っているのです。

ライフサイクルマネジメントとは

ライフサイクルマネジメントLCM)-Life Cycle Management-

ファシリティの企画段階から、設計・建設・運営そして解体までのファシリティの生涯に着目して計画、管理を行なう考え方。ファシリティに依存する効用の最大化、ライフサイクルコストの最適化、資源やエネルギー消費・環境負荷の最小化、障害や災害のリスクの最小化を目標とする。例えば、施設を建替えずに改修しながら使用し続ければ、建替え時の解体費用と新設費用が節約できることに加え、それらに係る二酸化炭素排出量も大きく削減可能で、地球温暖化に大きく貢献することになる。

日本ファシリティマネジメント推進協会FMガイドブック参照

つまり建物を低価格で建設することが出来たとしても、その建物を使用する期間中の運営維持管理費を考慮した計画となっていないと、後々複雑な改修計画が必要となる場合や、また、清掃やメンテナンスに過剰な費用が嵩み、最終的には不経済で高額な投資となってしまうことがあります。

そこで、建物を生涯にわたって最適に活用しながら、運営維持管理費の低減を図り、長期的・戦略的な改修計画を立案し、建物の機能を向上させ、資産価値を上げることが必要になってきます。

最適なライフサイクルマネジメント

修繕更新費用の低減

最適なLCMを実現していくには、LCCの低減が欠かせません。
そのための建物新築計画時での注意ポイントについては前述しましたが、運営維持管理の段階での低減策についてはどうでしょう。
ここでは、修繕更新費の低減について考えてみます。

修繕更新費算出には、まず建物の現状把握が重要です。そのためには建物状況調査・遵法性調査を実施し、その結果をもとに、緊急・短期・中長期の修繕更新費用を算出することになります。
これらの費用の内、特に戦略的に計画することでコスト低減の効果が期待できるのが中長期修繕更新費用です。

コストの平準化

中長期の修繕サイクルは一般的には5年、あるいは10年ごとになります。
そしてその内訳は、建築・電気設備・空調設備・給排水設備など全般的な項目になります。

したがって、修繕更新費用も一般的には高額になります。そこで工事内容を吟味したうえで、数年に工事を分散させてコストの平準化を図ることも大切になってきます。
また、実際には全ての工事を同時に施工することは、その建物を使用しながらでは大変非効率であり、場合によっては工事費そのもののコストアップの原因となってしまいます。
工事個所を分散させながら効率的に修繕を行う例としては、外壁改修工事に合わせて外壁に面する給排水管の更新を実施することで外部足場設置費用を低減することなどが考えられます。

維持保全管理

最近の維持保全管理の取組としては、単に管理費の低減だけではなく、企業としての社会的貢献と責任の範囲で省エネルギーへの取組としてBEMSによるビルエネルギー管理や効率的な施設の維持・管理を実現するBIMによるメンテナンスなどがあります。

BEMSとは

近年、COP25など世界的な地球温暖化への取組が進むにつれ、限られたエネルギーを最適に管理するツールとして「エネルギーマネジメントシステムEMS : Energy Management System)」が注目され、その動きは多種多様な企業や地域で利用が広がっています。
オフィスビルや商業ビルにおいてはBEMSBuilding Energy Management Mystem)として導入が進んでいます。

具体的には、中央監視室で集めているエネルギー使用実績や空調・照明の利用状況などを分析して可視化し、建物の省エネルギーを支援するシステムです。BEMSを利用することで、エネルギー使用実績などが分析できるため、メンテナンス計画の立案などが効率的に行えます。

施設の維持保全管理でのBIM

竣工後にBIM3次元モデルを活用しメンテナンスすることで、その履歴の詳細なデーターベース化に有益な効果を発揮できます。
BIM3次元モデルには、ファシリティ・マネジメントの基本情報となる、部屋、設備機器、什器などの資産情報が蓄積されています。従ってこれらの情報を活かすことにより効率的な維持・管理を実現することができます。

BIM(ビー・アイ・エム)こと Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)[1]は、建物のライフサイクルにおいてそのデータを構築管理するための工程である[2]。典型的には、3次元のリアルタイムでダイナミックなモデリングソフトウェアを使用して建物設計および建設の生産性を向上させる[3]。この工程でBIMデータを作成し、そこには建物形状、空間関係、地理情報、建物部材の数量や特性が含まれる。

Wikipedia:BIMより引用

ライフサイクルマネジメント(LCM)を考慮した建設計画を立てよう

建築物の寿命は約半世紀あり、その生涯への投資金額は決して安いものではありません。
建築計画の着手段階から初期投資となる建築工事費の削減と運用維持管理費用の低減に取り組むことは、事業者にとってのビジネスの成功への架け橋になります。

私たちプラスPMは建築のプロとして、経営者の皆様の良きご相談相手となるべく、今後も様々な場面でお役に立つ情報の発信に努めてまいります。



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