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病院建設

災害時の非常用電源の確保について

この度、北海道で起きました地震により被災された皆様ならびにそのご家族に心よりお見舞い申し上げます。そして皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

2018年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震では、改めて病院に求められるMCP:Medical Continuity Plan(災害時にも病院機能を維持する事業継続計画)の重要性が浮き彫りになりました。
病院運営には建物が地震で倒壊しないことはもちろん、電力、給水、医療用ガス等様々なインフラ供給が確保されている必要があります。

では、地震等の災害により外部からのインフラの供給が一時途絶した場合、医療機関として機能を維持するためには予めどのような対策を行っておけばよいと考えられるでしょうか。


■北海道胆振東部地震における病院の停電状況について
厚生労働省が発表した「地震による被害状況等」によると、9月6日9時の時点で確認されていた停電は82病院。
それが徐々に増え、24時間後の7日午前5時にピークの376件となっています。
8日午前2時時点で道内電力は99%復旧し、停電・断水の状況は相当程度改善との道内発表があるにもかかわらず、依然として145病院が停電の被害があると報告されています。
結果、発生から98時間後の9日午前5時の時点で0件となるまで道内の病院における停電が見られました。


■停電時の対応について
停電に備え病院に求められる対応は大きく分けて下記2種類です。
1) 無停電電源装置
2) 自家発電による一定期間の電力確保

1) は一瞬の電源途絶で生死が分かれる手術室やICUに数秒~数十秒の電力供給を行います。
最近は医療機器の進歩によりバッテリーを内蔵した器機も多くなり必要とされる諸室は減りつつある一方、サーバー等の必要とされる器機が新たに出てきています。
電源としては高額なため計画にあわせ、過不足のない検討が必要になります。

2) は諸室の検討に加え容量の設定が大事です。
北海道胆振東部地震では、24時間後に停電数がピークになっています。
インフラの中でも電気の復旧は比較的早いということから非常用発電の燃料容量を数時間程度で計画している事例も多くあります。
しかし、今回の地震で見られるように数時間後に停電になるかもしれない環境では十分な医療機能が果たせなかったのではないでしょうか。
医療機能に必要な使用電気容量と、最低限維持しなければいけない時間を病院建設時から想定しておく必要があります。


■発電機容量や範囲の設定について
災害拠点病院は、通常利用量の6割程度の発電容量のある自家発電機を保有し、3日分程度の燃料を確保が目安となっています。
しかし、それ以外は明確な指針がありません。
そこで、計画時に下記項目がポイントになります。

・発電可能時間を構造、設備のイニシャル、ランニングコスを含めた比較

・ICUや手術室以外に、昇降機や外来診察の照明、厨房機器等の対象範囲の決定

・発電燃料の種類選定

また、太陽光発電設備を設けることも災害時に助けになります。
病院機能をまかなうことはできませんが、補助電源や外灯の確保もMCPに配慮した病院には必要です。


■発電機のメンテナンスについて
災害時に重要となる非常用発電機ですが、メンテナンスが行われておらず有事の際に作動しないという事例が過去多くあります。点検は適切に行われていますでしょうか。

非常用発電機の法令で定める保安検査は公共施設でさえも適切に行われているものは全体の1~2割と言われています。更に病院では全館停電を伴う試験は実施が難しいと思われます。
そこで、消防庁は今年の6月1日に検査を大きく緩和しました。義務である毎年の負荷運転試験を条件つきで6年毎に延長、更により簡易な検査も認めはじめています。
適切なコストで災害に備えることもMCPには重要です。

私共にはこれまでの数々の経験から、病院建設にMCPを適切に判断できるノウハウがあります。
災害に強い病院計画を皆さまとつくりあげるのも 「CM(コンストラクション・マネジメント)」の業務です。 病院建設などをお考えの際には、是非プラスPMにご相談ください。


参考:胆振地東部震とする地震による被害状況等についてその他の項目

■建物の倒壊に・倒壊の恐れについて
記録によると「入院病棟倒壊・倒壊の恐れ」は地震発生時から一貫して0件となっています。
これは、建物の耐震性は建築基準法の改正や様々な地震に対する構造形式の発達により、大きな揺れを受けたとしてもすぐに倒壊してしまう事態は起こりにくくなっていることを示していると考えられます。

■給水について
6日午前9時の時点で確認されていた断水中の病院数は14病院。それが徐々に増え、24時間後の7日午前5時にピークの82件となっています。

■医療ガス供給について
6日午前9時の時点で確認され医療ガス使用不能病院数は7病院。それが徐々に増え、6日15時にピークの12件となっています。


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