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【建築的側面から考える】医療施設で新型コロナウイルスに対し"今できる"ことは何か

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2020年1月、国内で初めての新型コロナウイルス(COVID-19)感染症患者が確認されてから3ヶ月が経ち、4月15日の時点で国内の感染者数は8,000人を超えています。

医療現場を支える現場の医師・看護師・薬剤師を初めとした医療スタッフの皆様は、医療材料も枯渇する中、苦しい闘いを続けています。

建設業界では現在、新型コロナウイルスへの建築的アプローチを様々な形で発信しているところです。
その中で、病院CMを生業とする当社として、現時点で実際に医療施設で検討を行っている、「今すぐに検討できる」建築的な新型コロナウイルス対策を皆様にご紹介します。

対策・検討『実例』

感染・発熱外来用の別棟建設

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本検討図は建物の外に、診察・処置室を別棟にて設置するものです。前室を含め30~60㎡程度の建物を、本体建物の出入口近くに検討しています。
駐車場を利用して建設するので、患者・スタッフを完全に分離して診療が行える点で、非常に有効な手法です。

検討事例1)プレハブ工法による仮設施設

プレハブ工法では、仮設ではなく「常設」を行う検討も同時に行います。この場合でも工期は長期化せず、使用していない時には様々な用途に転用が可能です。

img02.jpg【写真の提供】大和リース株式会社:「仮設医療施設のご提案」より、2009年新型インフルエンザ対応時の発熱外来施設事例

検討事例2)医療用陰圧テントによる仮設施設

医療用陰圧テントを設置し、使用する方法です。非常時以外での利用方法についても検討を進めています。

mqiryo.jpg【写真の提供】太陽工業株式会社:「医療用陰圧テント」より、2015年MERS流行時の韓国での使用事例

病室の簡易陰圧化

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感染対策用の病室を整備するには、換気設備計画を適切なものにし、場合によっては手洗い付きの前室を設けるといった準備が必要になります。既存の病院においてそれを行うには、大々的な改修工事が必要になります。
そこで、今ある建物でも行える対策として、病室に既にある換気設備を調整し簡易的な陰圧状態にすることを、東京都内の病院にて検討しています。

一般的な病室は、給気設備によって廊下や外部から空気を取り込み、隣接するトイレに設置した排気設備などから空気を排出しています。空気の給気量と排気量は等量の状態です。
そこで、給気設備の給気能力を調整可能にし、排気量は一定に保ちつつ、給気量を低くすることで、病室を簡易的に陰圧状態にすることが可能となります。

病棟端部を感染症患者用とする

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既存の病棟の端にあるいくつかの病室を、感染症患者が使用するものとし、廊下に扉(自動扉)を設けて区画することを検討している病院があります。

廊下の扉は、平常時は開いたままとできるように設置し、他の病棟と同じように使用できるようにします。
ただし、この方法を既存の建物で行う場合、建築基準法に定められた「排煙制限」に抵触する可能性があるため、場合によっては病棟廊下の窓などの改修が必要になる場合もあります。

その他

その他、感染リスク低減のために、実際に以下のような検討を行っています。

  • トイレの手指乾燥機(ハンドドライヤー)を休止、ペーパータオルホルダーを設置

  • 病室・病棟廊下の床仕上げ材を、塩化ビニル製のシートからタイルカーペットに変更
    ウイルスや細菌が塩ビシートに比べ、吸着され飛散防止(ただし清掃性との兼ね合い要検討)

今後も他事例を参考にした対策検討が必要

世界各国が感染防止への対策をとるとともに、増え続ける感染症患者によって医療崩壊を招かないよう、様々な対策を講じています。
例えば、一時期大きな話題にもなりました中国「火神山医院」や、イギリスの「ナイチンゲール病院」、マレーシアの「MAEPS仮設病院」などです。

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他国での事例の詳細は、2020年4月15日公開「10日間で完成した武漢「火神山医院」に関する技術考察と「各国の取り組み」」をご覧ください。

それを受けて、日本でも政府主導での様々な動きが見られます。

それらの中には、一つの病院という単位で新型コロナウイルス対策を考える上でも、十分参考になりえるものもあります。

プレハブ建物の患者一時滞在施設への改修

警察庁は4月、増え続ける新型コロナウイルス感染患者のため、東京オリンピック・パラリンピックの警備に当たる警察官用仮宿舎を、軽症・無症状の患者を一時的に受け入れる施設に改修することを決めました。

› 警視庁公表「令和2年度補正予算(第1号)(案)の概要」

病院として建設されていない施設をどのように改修するのか、今後注目していきたいと思います。

仮設医療施設の設置

神奈川県が開設者となって、180床の病床を仮設医療施設として整備します。

想定患者は、酸素吸入などが必要な中等症患者となっています。4月中旬に建設がスタートし、5月上旬の稼働を目指しているようです。

■新型コロナウイルス感染症に対応する臨時の仮設医療施設を設置します

県では、新型コロナウイルス感染症に対応する医療体制「神奈川モデル」の一環として、中等症患者を受け入れる「重点医療機関」の病床数を確保するため、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、新たに臨時の仮設医療施設を設置します。

(1)開設者
神奈川県(法的根拠:改正新型インフルエンザ等対策特別措置法第48条第1項)

(2)運営
医療法人 沖縄徳洲会

(3)設置場所
湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)内のグラウンド

(4)病床数(予定)
180床

神奈川県 2020年4月13日 公表「新型コロナウイルス感染症に対応する臨時の仮設医療施設を設置します」より引用

日本の医療は今、誰も経験したことのない事態に直面しています。
この危機を乗り越えるための一助となるべく、私たちは建築技術、特に医療施設のノウハウと経験を活かし、最新の情報を発信してゆきたいと考えております。


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