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2022年10月19日、一般社団法人 日本コンストラクション・マネジメント協会 九州支部様主催、国土交通省様後援のセミナー「公共CM活用セミナー」が開催され、プラスPM 濵田 徹(チーフマネジャー)が講師として登壇しました。
今回のセミナーの第一部では、津國 眞明様(国土交通省 不動産・建設経済局 建設業課 入札制度企画指導室 課長補佐)より、CM活用に向けての国土交通省様の取り組みについてご説明いただきました。
第二部では、公共施設の整備事業におけるCM方式の導入事例として、当社の濵田より「県立宮崎病院プロジェクト」について解説しました。その後、江原 奨様(日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社)より事例のご紹介がありました。
第三部では、川原 秀仁様(日本コンストラクション・マネジメント協会 会長)が、CM方式の普及に向けた日本コンストラクション・マネジメント協会の取組みについて述べられました。
県立宮崎病院は全県の中核病院でありながら、救命救急センターは同規模・同機能病院の約40%の面積であり、病棟の個室や面談室が不足しているなど、狭隘化が問題となっていました。さらに災害時の耐震性能、対浸水性にも課題があり、早期に改善が必要でした。
しかし、基本構想時の概算事業費が基本設計完了時には約131億円増額し、議会で予算化が見送られました。また、自治体病院を取り巻く経営環境は大変厳しいため、建設コストを縮減するためのマネジメントを行う必要がありました。そこで、確実に予定通りの時期、予算で建設事業を行うため、CM方式の導入が決定されました。
宮﨑県107万人を対象とした中核病院の早期運用開始のため、本プロジェクトでは4つの目標を設定しました。
今回は上記の目標のうち、コスト削減のために行った2つの施策をご紹介します。
新たな目標である225億円以内で新棟建設工事を完遂するため、病院規模の適正化を行いました。面積分析を行い、過大な部分について実際に面積を削減できるか、検証を行いました。また削減可能額を見える化し、意思決定支援を行いました。
例えば、厨房面積が過大であることが分かったため、厨房職員へのヒアリングを行い、面積削減案と新たな機器配置案を提案しました。その結果、8,000万円のコスト削減となりました。
複数の設備範囲を対象としたエネルギーサービス事業(ES事業)を導入すると、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも削減可能であることが判明し、導入が決定されました。ES事業は実施設計に大きく関係するため、ただちに事業化、入札、選定を実行しました。
その結果、イニシャルコストとして約10億円、ランニングコストも15年で約3億2,000万円削減することが可能となりました。
このような施策をはじめとした様々な取組みを行うことで、県立宮崎病院プロジェクトは前述の4つの目標を達成し、一度中断した事業の再始動と実現を果たすことができました。
今回の講演は、福岡会場とZoomウェビナー形式での開催となりました。お忙しい中ご受講をいただき、ありがとうございました。
自治体病院の建替えは難易度・専門性が高く、事業を予算通り、スケジュール通りに進めるためには、専門家の支援が必要です。自治体における病院建設事業の計画の進め方、CM導入にお悩みの方は、是非一度プラスPMへご相談ください。
当社コンサルタントによる初期ヒアリングは無料です。まずはお客様のご要望をおうかがいいたします。