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基本構想時の正しいコストコントロール ~基本構想段階での予算策定方法~

当社では各種セミナーでも講師をさせていただいておりますが、その中でも繰り返し申し上げる事があります。
それは、『病院のCM(コンストラクション・マネジメント)は、基本構想時から導入した方が得られる効果が大きい』ということです。

それには、いくつか理由があります。
「そもそも移転新築か現地建替えかを決める際、具体的な計画、コスト、スケジュールの検証ができる」
「建築計画を見える化できるので院内意思決定しやすい」
などです。

しかし、中でも一番大きな理由は「精度の高い予算を設定できる」という事です。
基本構想段階でのコストマネジメントは、事業の成否を握ります。

そこで今回は「基本構想段階での予算策定方法」について解説致します。



基本構想段段階でのコストコントロールの目的


さて、そもそも基本構想段階でのコストコントロールの目的は何でしょうか。
それは、「基本構想段階の概算工事金額=予算」を、設計を終えて工事を発注した時の「発注金額と大きな差がないもの」に設定することです。
病院建設プロジェクトでは、往々にして発注金額が予算オーバーになります。
その原因は大きく分けて2つあります。



要因1:概算金額の算出に用いた坪単価や他事例の落札金額データが、正しいものではなかった

1つは、「概算金額の算出に用いた坪単価や他事例の落札金額データが、正しいものではなかった」事です。

例えば2011年ごろに落札された病院建設計画と全く同じ計画を2019年現在に発注すると、当時の1.5~2倍の価格となるでしょう。

建設見積金額としてゼネコンから提示される金額は、需要と供給のバランスや、国内の建設事情が関係する職人確保の難易度、そのゼネコンの置かれている経営環境に大きく左右されます。
建設費が決定するのは設計業務が完了した後ですので、基本構想段から考えると数年先ということになります。
概算金額の算出においては、ゼネコンを選定する時期の情勢を予測し、建設費がどうなるのかを考えることが必要です。

また、参照する他事例も精査が必要です。
同規模の病院計画であったとしても、高度急性期病院なのか慢性期病院なのかで建設コストが大きく変わることは言うまでもありません。

また、病院計画の特徴は、移転新築計画と同じくらい、現地建替え計画が多いことです。
現地建替え計画は、仮設の外来棟や渡り廊下が必要であったり、給水管・給湯管・医ガスといったインフラ設備配管を接続し直す必要があったりと、移転新築工事に比べ割高になる事が多いのです。
他事例を参照する際は、その参照する建設計画がどのようなものであったかを、正しく把握する必要があります。



要因2:基本構想段階で病院経営上の今後の戦略を十分検証しなかったために、新たな病院の面積が拡大してしまった

発注金額が予算を上回る、今1つの理由は、「基本構想段階で病院経営上の今後の戦略を十分検証しなかったために、新たな病院の面積が拡大してしまった」事です。

基本構想策定の段階で最も重要な事は、「これから当院はどのように医療機能を取捨選択して、生き残りってゆくのか」という医療経営上のソフト部分の戦略を決定することであり、「その戦略を実現するには、どのような病院建物でなければならないのか」というハード上の戦略を、ソフトと合致させたものにすることです。


まとめ

病院建設は、数十年に一度のビッグイベントです。
日頃働いている医師をはじめ、スタッフには様々な思いがありますし、病院の経営者には経営者の思いがあるでしょう。

しかし、病院経営を取り巻く環境が非常に厳しくなっている昨今、新しい病院建物は、必要な部門だけを充実させ、病院の今後の経営戦略上、不要な部門や諸室は縮小することが必須になっています。

どの部門を拡大し、どの部門を縮小するのかといった病院計画上の大前提条件は、基本構想段階で十分な議論を尽くし、病院建設計画は、その前提条件に則った、ブレることない強固なものでなければなりません。

皆様の基本構想と建設予算はいかがですか。
十分な検証をされて策定されていらっしゃるでしょうか。

病院建設事業にとって、コストコントロールは最も重要なものの1つです。

私共にはこれまでの数々の基本構想策定の経験と、長年に渡る病院建設コスト分析・予測の実績から、病院建設事業におけるコストコントロールのノウハウがあります。
確実な病院建設事業の予算を策定するのも、「CM(コンストラクション・マネジメント)」の業務です。

病院建設などをお考えの際には、是非私共にご相談ください。 


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