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「性能発注方式」を簡単解説|「仕様発注との違い」や「適した建設工事」、「メリット・デメリット」についても言及

本記事は、建設工事で「詳細な仕様策定が難しい」「最新技術を積極的に活用したい」といった担当者に向けて、解決策として活用できる「性能発注方式」について、できるだけわかりやすく解説します。

性能発注方式とは、建設プロジェクトにおいて「従来の詳細な仕様書を作成する代わりに、達成すべき性能や機能を明確に定めて発注する方法」です。

例えば、工場建設において「耐震性能」や「省エネルギー性能」を求める基準として示し、建設会社に最適な方法を提案させることで、技術的自由度を高め、「コスト削減」や「品質の向上」を望めることがあります。

1.性能発注方式とは

性能発注方式とは

具体的な手法や材料を指定するのではなく、達成すべき品質や性能を明確にして発注する方式です。

発注者と受注者の自由度を高めることで、より効率的で革新的なものづくりが可能になり、建設や製造業における従来の発注方法の課題を解決できます。

1-1.「性能発注方式」と「仕様発注方式」の違い

「性能発注方式」と従来の「仕様発注方式」の違いは、下記のとおりです。

仕様発注は「詳細な仕様書」に沿って工事を進めますが、性能発注方式は「求める性能を示した水準要求書」をもとに工事を進めます。

<図 性能発注方式と仕様発注方式の違い>

図 性能発注方式と仕様発注方式の違い
【性能発注方式と仕様発注方式の違い】
発注方法 性能発注方式 仕様発注方式
特徴 発注者は「求める性能や品質の基準」を示す 発注者が「使用する材料や工法、設計などの詳細な仕様」を指定する
発注の
自由度
自由度が高い 詳細な指示があるので、自由度が低い
コストと
品質
コスト削減や品質向上につながりやすい 技術革新の余地が少なく、コスト削減の余裕も限られる

1-2.「性能発注方式」に適した建設プロジェクトのタイプ

以下のような要望を持つ建設プロジェクトのタイプには、性能発注方式が適しています。

性能発注方式に適した建設プロジェクトのタイプ

  • 既存技術にとらわれず、「技術革新や創意工夫を期待したい」
  • 建設時の初期コストだけでなく「ライフサイクルコスト(LCC)の最適化を求める」
  • 発注者側で仕様を決めるのが難しい「専門的な知識やノウハウを受注者に委ねたい」
  • 設計から施工まで一貫した責任体制で「効率と性能を最大化したい」

実際に公共工事や病院、工場、データセンター等の建設プロジェクトで、積極的に活用されています。

2.性能発注方式のメリット・デメリット

性能発注方式には、いくつかのメリットとデメリットが存在します。

それぞれについて解説します。

2-1.性能発注方式のメリット

まずは性能発注方式のメリットを3つ紹介します。

〈メリット1〉発注業務の負担が減少する

建物の細かい仕様を決める必要がなく、必要な規模や性能の説明をするだけで済むため、発注業務の負担が軽減されます。

〈メリット2〉コスト効率が向上する

発注者が求める性能目標に基づいて発注を行うため、仕様に縛られずにコストを抑えることが可能です。

「価格」と「技術」の両面で評価を行うことで、より費用対効果の高い工法や材料を導入することができます。

〈メリット3〉イノベーションと柔軟性を促進できる

自由度が高い発注方式のため、新しい技術や工法の導入が容易であり、建設会社は独自の工夫を加えやすくなります。
このため、革新的、効率的な技術を取り入れられる可能性があります。

2-2.性能発注方式のデメリット

一方で性能発注方式にはデメリットも存在します。

〈デメリット1〉「提案の良し悪しを見分ける力」が求められる

性能発注方式では、複数の建設会社から異なる提案や費用が提示されるため、どの提案が最良であるかを判断しなければなりません

発注者側に「良し悪し」を判断できる専門知識がないと、誤った選択をしてしまい、性能発注の意味が損なわれる可能性があります。

〈デメリット2〉受注者の技術力に依存する

受注者の技術や実績が成果に大きく影響するため、信頼できる企業を選ばなければ、期待した結果が得られない恐れがあります。

〈デメリット3〉完成後にトラブルが発生するリスクもある

成果や性能の評価基準が曖昧な場合、発注者の求める施設が完成しない可能性があります。
また、発注者と受注者で評価の捉え方が異なるため、完成後に報酬や評価を巡ってトラブルになるリスクもあります。



例えば、コンストラクション・マネジメントの「プラスPM」をご利用いただくことで、性能発注方式における「提案採用の判断」「受注者の選定」「成果および性能の評価基準」といった課題をプラスPMが引き受け、発注者は性能発注方式のメリットだけをご享受いただけます。

性能発注方式をご検討の際は、ぜひプラスPMにご相談ください。

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