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生産工場・物流施設

経済産業省2019年3月発表のデータから見る"近年の工場立地動向"について~関東内陸の中でも茨城県が躍進~

ここ数年、新工場建設に係わるご相談やお問い合わせが、大変増えています。
わたくしたち建設に特化したコンサルタントの仕事は、プロジェクトに対するお客様の目的をしっかりと理解することからスタートしますので、新工場立地の目的や理由については、多種多様であることを自ずと学んでいます。
今回は、工場立地の目的や理由、そして最新の動向について解説してみます。

新工場立地の様々な理由

新工場立地の一番の目的は、もちろん生産性を上げて業績を向上することです。
そして課題は、現況の改善です。

  • 事業拡大のため新規エリアに新拠点を立地する
  • 生産ラインを増設したいが現工場にはその余裕(面積)がない
  • 取引先(納品先)が移転するので、それにより工場移転が必要になった
  • そもそも既存工場の老朽化により生産性が悪化している

など様々です。

少しかわった理由では、「近隣環境の変化により移転を余儀なくされた」などもあります。
どういうことかと言いますと、何十年も前に工場を建てた時は周辺には何もなかったのに、現在では多くの住宅が工場を取り囲み、搬出入車両や工場騒音など近隣からの苦情に気を使いながら稼働してきたが、ついに移転に踏み切った、など少々お気の毒なケースもあります。

工場立地動向について

では、近年どのような業種が、どこに、どれくらい立地しているかなどを、経済産業省発表の「2018年工場立地動向調査」をもとに整理してみます。

業種別の立地動向(立地件数と立地面積)

2017年まで立地件数、面積ともに常にトップを占めていた食料品製造業が、2018年では件数、面積ともに大きく減少しています。具体的には、立地件数で181件から152件に、立地面積では272haから188haへと減少しています。食品製造業の工場立地については一段落というところでしょうか。(1ha=10,000㎡)

1.jpg
一方で他の業種の立地件数は伸びたため、全体として立地件数は依然として伸びています。ただし、立地面積については食料品に加えて輸送用機械製造業の面積減少により、全体も減少となっています。
 件数は伸び、面積が減少しているということは、1工場立地当たりの投資額の減少が原因と考えられます。そこで投資企業の規模について調べてみます。

工場立地の環境

工業団地の立地件数は、全立地件数の4割程度を占め、平均立地面積も工業団地外の立地と比べて、1.5~2.0倍程度の広さとなっています。このことからも工業団地が産業用地の提供に一定の役割を担っていることがよく分かります。
地域別の立地状況では、工場立地の二大地域である「関東内陸」と「東海」が立地件数、面積ともに他の地域から群を抜いています。

また、関東内陸の中でも茨城県の躍進は目覚ましく、圏央道による物流環境の向上や、つくばエクスプレス開通後の人口増加に伴う労働力の容易な確保などが原因であると考えられます。

ちなみに、立地地点の選定理由の上位は下記の通りです。

  • 本社・他の自社工場への近接性
  • 地価
  • 工業団地である
  • 高速道路を利用できる
  • 関連企業への近接性
  • 国、地方自治体の助成
  • 人材、労働力の確保

2.jpg

以上の結果から、今後も企業の工場立地件数については、企業規模1億円前後の企業による投資により近年同水準で推移し、立地点については自治体からの助成金などの優遇が見込まれる工業団地への投資が増加すると考えられます。

プラスPMのコンストラクション・マネジメントは発注者側の立場に立ち、コスト、品質、スケジュールの最適化による建設事業の推進支援を行います。
工場の新築、増築、建替えをお考えのかた、自治体工業団地の助成金や補助金などの優遇制度のことについては、プラスPMに是非一度ご相談ください。

【参考】
・経済産業省「2018年(1~12月)工場立地動向調査結果(速報)」
https://www.meti.go.jp/press/2018/03/20190329012/20190329012.html


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