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病院建設

病院の設備設計は、経営目線でチェック

経営的な目線で病院設計を評価するとき、設備(電気)の重要度は非常に高く、これを充分に[理解]及び[納得]しないで、設計を進めることは危険です。

設備工事が建設コストの占める割合は約40%程度になりますし、ランニングコストやライフサイクルコストの検討、そしてBCP(事業継続計画)対応を考える上でも設備の理解無しでは、適正な経営的判断は難しいと言えます。

しかし、「設備システム」は専門・技術的側面が強い分野であり、それを「理解し判断する」ことは、病院様側にとって簡単でないのも事実です。

まずは施設全体のエネルギー総消費量の約60%をしめる「空調熱源」「熱搬送」「給湯・蒸気」や「非常用発電機関連」についての確認です。

いずれも市場価格に大きく左右されるエネルギー(電気やガス、軽・重油代など)によるシステムのため、原則イニシャルとランニングのコスト比較などのメリットデメリットをそれぞれ明確にした上で、設計方針の検討をするのが必須です。

例えば「空調熱源」についてはガスや電気単独なのか、それらの併用システムなのか、さらにはコジェネも取り入れるか、また「非常用電源」についてはガスタービン動力かディーゼルかの選択は、イニシャルとランニングのコストをふまえ、総合的に判断します。

また「給湯」や「蒸気システム」については、「分散化」や「絞り込み」もポイントです。

「給湯」について病院は、使用量、使用箇所が非常に多いため、かつては加熱装置と貯湯槽を設置した機械室を設け、必要箇所に供給する「セントラル方式」が主流でした。イニシャルコストについてはメリットが高い「セントラル式」ですが、配管が長いため放熱ロスが多くランニングコストとしては効率が悪いうえに、また将来的に部分的な改修や修繕が困難な方式です。

そのため現在では中規模病院はほぼ「分散化」にて検討しています。連続的に給湯が必要な診療部分や浴室についても機械室は設けず、屋外等にコンパクトなガス給湯器を連結設置して必要量を供給し、飲用程度は電気式給湯器としてイニシャルとランニング、そして将来の可変性にも配慮しています。

また「蒸気」も空調(加湿)、給湯、滅菌、洗濯と施設各所に用いられているため、大型のボイラーによる「セントラル方式」がイニシャルコストでは有利ですが、近年中規模病院では蒸気使用を滅菌のみに「絞り込み」をおこない個別ボイラー装置で対応し、「加湿」については感染リスクの少ない部分は気化式(水加湿)とするなどで蒸気使用範囲の縮小を進め、メンテナンスコストの低減を図る事例が増えています。

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次に、BCP及びHIS(病院情報システム:Hospital Information System)について考えます。

設備BCPにおいてのキーワードは、「身の丈にあわせる」です。

確かに災害時の対応を予想するのは困難です。とはいえ、例えば災害時の自家発電の自立的稼働時間が災害拠点病院と同様に72時間も必要かどうかは、地域の病院との連携状況を冷静に調査した上で、イニシャルコストを見極めながら判断することが重要です。

またHISの導入にあたっても、どれだけの人件費削減の効果があるかを、イニシャルコストとの比較で冷静に判断することが大切です。

HISは電子カルテやPACSなどの診療に関わる記録や業務の支援に関わるもののだけでなく、地域連携なども含まれ、今や病院機能のライフラインとして維持管理費用に占める割合も増えてきているからこそ、経営的な目線で、将来的な可変性も視野に入れたマネジメントしやすいシステムを設計者と検討することが必要です。

プラスPMは、効果的な設備システム導入の事例を様々蓄積しており、それらを活用することで、コストと品質(機能性)のバランスがとれた医療施設計画の支援を行っています。

設備方式導入の選択にあたってお悩みでしたら、コンストラクション・マネジメント(CM)会社として、数々の病院プロジェクトを経験し、開業までをしっかりとアドバイスできるプラスPMに、是非一度ご相談ください。


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