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病院建設

過大な投資を抑え、予算通りの病院建設計画を実現する方法~将来の病院経営を見据えた事業計画を立てよう~

当社では、民間・公的・公立病院様の様々な業務を行っておりますが、近年の病院経営を取り巻く状況は、厳しさを増す一方だと感じることが多くあります。
とある調査では、補助金や他会計負担金を除いた総損益差額をみると、実に7割の病院様が赤字という結果も出ており、たくさんの病院様が病院建設計画において予算とコストが合わないと悩んでいらっしゃいます。

病院建設計画におけるコストコントロールは益々重要性を増しています。
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病院建設に伴う3大リスク

病院建設計画には、大きく分けて3つのリスクがあります。それは、『複雑』であること、『変化』すること、『継続』が必要な事です。

1)『複雑』:多職種・多人数のスタッフ、多種の外来者への対応

病院建築は数ある建設計画のなかでも難度の高い部類に入ります。それは、多数の専門的な機能が混在しているだけでなく、多数・多職種の専門的知識を有するスタッフがそれぞれ業務を行っているからです。
新病院の計画ともなると、その様々な立場から多数の要望があげられます。それらを、これから20年、30年後といった将来の病院の姿と病院の経営という視点から取捨選択を行わないと、不要な機能を持った過大な計画となり、予算超過の原因となります。

2)『変化』:社会的背景・医療政策の変化

高齢化社会の進行によって患者層は変化し、人口減少はスタッフの確保を年々難しくしているだけでなく、今後の患者数の変化をもたらします。
病院建設計画は、短いものでも3年かかり、長期化すると5年以上となるものもあります。その中で診療報酬をはじめとした医療政策も変化しつづけます。計画に描く、目指す姿は何年後の姿なのか、目指す姿を見誤る事は計画そのものへのリスクに直結します。また、長期に渡る計画の中では、建設需要の変化によるコストの上昇という可能性もあります。

3)『継続』:病院を使いながらの工事

病院建設計画の大半は、既存病院を使いながら部分的に増築工事を行い、あるいは部分的な解体工事や改修工事を行うといった、現地建替えの工事です。
計画を立案し建設予算を設定する場合、どうしても新築する建物のコストに目が行きがちですが、実際に工事を行う時には、病院機能を一時的に逃がすために仮設病棟を建設する必要がある場合や、工事中の患者・スタッフの動線を確保するために仮設の渡り廊下が必要な場合もあります。
それらのコストを計画段階で正しく見込めていない場合、建設コストが予算を超過するリスクがあります。

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将来の病院経営を見据えた事業計画の重要性

1)将来の病院経営に必要な経営分析

先ほど『複雑』や『変化』にて「将来の病院の姿」を見据える必要があると申し上げました。これは即ち、将来の病院は「どの診療行為を柱とするのか」「どのような患者様をどの程度受け入れるのか」といった、将来の病院経営そのものを想定する必要があるということを意味します。

将来を見据えた計画を立てるには、現在の経営を分析する必要があります。
まず明らかにしなければならないのは、当院のポジショニングです。診療圏はどの範囲なのか、そこには診療内容ごとにどのような競合施設があるのか、その中で当院の優位性はどこになるのかを明らかにします。
また、収支構造を明らかにしなければなりません。人件費は標準的な病院と比べて多いのか少ないのか、入院患者数・外来患者数はどうか、平均在院日数は長いのか短いのか、委託費は多すぎないかなど、どの診療行為が収入を上げ、あるいは費用がかかりすぎているのかを明らかにします。

その上で、診療圏での人口動態や医療政策の見通し、競合情報などから、それらの収支構造が今後どのように変化していくのかを予測した上で、将来の経営状態を設定する必要があります。

2)将来を見据えた病院建設計画

建設環境の変化についても、予測し、最適なタイミングで工事を発注する必要があります。
実際に工事金額を決めるゼネコンへの工事発注段階は何年後になるのか、その時の建設環境は、活況でゼネコンは高い見積しか出さないのか、あるいは工事が少なく充分な競争環境にあるのか、刻一刻と変化する建設環境を長期的に予測し、その病院建設計画がもっとも有利なタイミングを見据える必要があります。

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出典:『将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会~医療需要の将来推計と提供体制~ 2015年3月』/引用:4P目 「全国の入院医療需要と外来医療需要の推移」より
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/chiiki_iryo/pdf/report01_02_00.pdf

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最適な建設コストを実現する

1)計画規模を最適化し、最適な建設コストを実現

将来の経営状態を設定する事ができれば、それに合わせた病院計画を行う事ができます。すなわち、計画規模の最適化です。
『複雑』で申し上げたような、スタッフの様々な要望については、将来の病院の経営の姿が明らかになっていてそれを共有化することができれば、本当に必要な要望なのかどうかをお互いに理解することができるでしょう。あるいは、本当に必要な機能が明らかになれば、『継続』で申し上げたような仮設工事は必要なくなるかもしれません。

最適な建設コストの実現には、最適な計画規模が必要であり、それには確固たる将来の病院の姿が必要なのです。

2)プロジェクトのスタート時期を考える

病院建設計画がもっとも有利なタイミングとは、言うまでもなく最も安く工事を発注できるタイミングですが、それはそのプロジェクトをいつ始めるのかを逆算することによって実現できます。
逆算に必要なことは、当院の病院建設計画は、基本構想・設計者選定・設計・発注といったそれぞれの計画段階を、どのような順序で進める必要があり、それぞれの段階で何年かかるのかを正確に設定することです。
最適な建設コストの実現には、適切な事業スケジュールの立案が不可欠です。

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新病院計画の抑えるべきポイント

病院計画は、当院の医業経営を大きく見直すことができる、大変重要なものです。当院のこれから数十年の姿を、建物の姿という観点からだけではなく、病院経営という観点からも決定する、重要な契機となります。
将来の病院経営の姿を設定すること、それを適切な建設計画に反映させること、あるいは将来の建設環境を予測すること、または事業のスケジュールを適切に設定すること、いずれも非常に専門的な知識や知見を必要とします。

私共にはこれまでの数々の病院事業を支援した経験と、長年に渡る病院建設コスト分析・予測の実績から、病院建設事業におけるコストコントロールのノウハウがあります。
病院・医療施設に精通した建築のプロが、経営者の目線で事業計画を支援いたします。病院建設などをお考えの際には、是非私共にご相談ください。


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