PM/CM、建設コラム

発注方式

「コストオン方式」を簡単解説|「分離発注との違い」や「適した建設プロジェクト」、「メリット・デメリット」についても言及

コストオン方式を簡単解説

本記事は、建設工事で「コストの可視化」や「柔軟性のある契約」を検討している担当者に向けて、解決策として活用できる「コストオン方式」について図表を交えながらできるだけわかりやすく解説します。


コストオン方式は建設業界で用いられる特別な工事の発注方式の一つです。
「機械設備工事や電気設備工事などの特定の工事」を行う専門工事会社を発注者が指定(または選定に関与)した後に、元請会社となる建設会社と契約します。
元請会社となる建設会社と契約する前に、発注者と専門工事会社の間で工事費について事前に合意・承認を行っている点が大きな特徴です。

1.コストオン方式とは

コストオン方式とは、

発注者が設備工事などを行う専門工事会社を指定し、該当部分の工事費を決めた上で建設会社に支払うコストオンフィーを上乗せし、元請会社と契約する工事発注方式です。

設備工事などの実費が明白になり、発注者は費用の内訳をしっかり把握することができます。


<図 コストオン方式のイメージ>

コストオン方式のイメージ図

1-1.一括発注方式・分離発注方式との違い

工事発注方式には「コストオン方式」のほかに、「一括発注方式」と「分離発注方式」があります。
各方式の大きな違いは、以下のとおりです。

  • 専門工事会社の選び方
  • 品質などの責任区分
  • 専門工事会社への費用

<図 一括発注方式と分離発注方式のイメージ>

一括発注方式と分離発注方式のイメージ図
【コストオン方式・一括発注方式・分離発注方式の違い】
発注方法コストオン方式一括発注方式分離発注方式
専門工事会社の選定 発注者 建設会社 発注者
発注者の契約相手 建設会社 建設会社 各社
完成責任や品質責任、
契約不適合責任
原則:建設会社
(※契約により内部的に分担)
建設会社 各社
専門工事会社との
契約金額
発注者と
専門工事会社で決める
建設会社と
専門工事会社で決める
発注者と
各社で決める

1-2.コストオンフィーとは|建設会社が受け取る費用

コストオンフィーとは、

発注者と建設会社の間であらかじめ決めた一定の管理費(統括管理費・安全管理費等)のことです。

コストオンフィーはプロジェクトの規模や管理範囲、工期等により大きく異なります。
そのため、一律の相場が定められているものではなく、個別に協議・設定されます。

1-3.コストオン方式に適した建設プロジェクト

コストオン方式は施設の種類によって「向き/不向き」があるわけではありません。
「高度な技術や専門的な知識・作業が求められる建設工事」や、発注者が「専門工事会社を指名したい場合」に適しています

例えば、下記のように発注者の意向・地域性・工種の特性によって、コストオン方式を採用するかどうかを決めるとよいでしょう。

【コストオン方式が採用される例】
建設プロジェクト例発注者の要望対応
製造工場の建て替え エレベーターは既存工場の保守を担当してきた地元事業者に発注したい。 エレベーター工事のみコストオン方式で事業者・金額を指定し、建築・電気・設備その他は建設会社へ一括発注。
病院の
高度医療エリア改修
手術室や放射線防護室など、医療機器と一体化した専門工種は実績豊富な事業者に発注したい。 対象工種のみコストオン指定。それ以外の外来・病棟改修は建設会社へ一括発注。

上記のように「特定工種だけ価格・業者を確定したいが、全体統括はゼネコンに任せたい」というニーズがあるプロジェクトほど、コストオン方式が有効に機能します。


建設工事の内容によって、適切な発注方式は異なります。
例えば、「コストオン方式が最適」と考えていても、建設マネジメントのプロに相談することで、実は他の方式の方が向いている場合もあります。

建設プロジェクトの契約方式を検討している際は、コンストラクション・マネジメント会社「プラスPM」にご相談ください。
最適な契約方式を選定し、コスト管理や進行管理を効果的に行うことができます。

2.コストオン方式のメリット・デメリット

コストオン方式には、いくつかのメリットとデメリットが存在します。

コストオン方式のメリット・デメリット

それぞれについて解説します。

2-1.コストオン方式のメリット

まずはコストオン方式のメリットを2つ紹介します。

〈メリット1〉発注者のニーズが直接反映できる

コストオン方式では、発注者が直接専門工事会社を選定し、工事内容についても直接交渉を行います

従来の一括発注方式では、元請業者を通じて意向が伝わるため、情報の伝達が不十分になることもありますが、コストオン方式では直接コミュニケーションをとることで、仕様や品質を直接明確に伝えることができます。

〈メリット2〉コストの透明性が向上する

専門工事会社が提示する見積もりに基づいて発注者が建設会社と契約を結ぶため、工事にかかる費用がすべて明確になり、コストの透明性が高まります

2-2.コストオン方式のデメリット

一方でコストオン方式にはデメリットも存在します。

〈デメリット1〉発注者の負担が増加する

発注者は各専門工事会社と個別に費用の交渉や調整を行う必要があり、時間や労力がかかります
また、工事費が正確であるか確認し、適切な価格を支払うために情報を集めたり調べたりしなければなりません。

そのため、専門知識がない発注者にとっては大きな負担となります。

〈デメリット2〉建設会社によっては受注に慎重になる場合がある

コストオン方式は、コストオンフィーをあらかじめ決めるため、一般的な一括発注方式とは契約条件や役割分担のあり方が異なる場合があります。

そのため、建設会社によっては「自社の事業スキームとの適合性」や「リスクとリターンのバランス」を踏まえて、受注に慎重になることがあります。



「コストオン方式」についてさらに深く検討したい場合は、建設マネジメントの専門家である「プラスPM」にご相談ください。

検討中の建設プロジェクトに対して、コストオン方式を含めた最適な契約方式を提案するだけでなく、コスト管理から施工管理まで、プロジェクト全体を総合的に支援いたします。

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