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今回は「安全」で「衛生的」であり、「一定の品質」を保つ工場を造る際の基準となる、GMPについて解説します。
GMPとは、医薬品および医薬部外品の製造工場の製造管理、品質管理の基準のことです。
原材料の入荷から製造、最終製品の出荷に至るすべての過程において、製品が「安全」に作られ「一定の品質」が保たれるよう定められています。
Good Manufacturing Practiceの略で、アメリカ食品医薬品局が定めた製造品質管理基準を世界保健機関(WHO)が制定し、その基準に準じて厚生労働省より厚生労働省令(GMP省令)として規定されました。
医薬品および医薬部外品の製造工場はGMP規定の三原則を満たした、設計および施工しなければなりません。
GMPの三原則
外部からの虫の侵入を最大限防止するために、周辺環境を考慮した建物配置計画や建物外部周りの対策が必要となります。
虫の発生する水路、側溝、水たまり(池や井戸等)や樹木からできる限り建物を離した配置計画とします。
窓やドアには、虫の侵入を防止する防虫フィルムを貼り、気密性能を高くします。
建物周囲には犬走りを設け、竪樋の足元を隠蔽し、確実に虫の侵入や発生を防ぐ対策が必要です。また、設備開口(給気口や排気口)についても、防虫フィルターの設置が必要となるため、吸排気性能を考慮した吸排気開口率にて設計する必要があります。
製品内に異物が混入しないため、建物内部の表面(壁、床、天井)は平滑でひび割れがなく、効果的な清掃が行えるものでなければなりません。
頻繁に清掃できない高所(シャッターボックス上部など)や窓枠やドア枠は、埃溜まりにならないようテーパー処理(斜め処理)や、壁と床面の取り合いの巾木は清掃がしやすい、アール加工とする必要があります。また、電気設備の分電盤や制御盤、照明器具についても、壁埋め込みとし、埃溜まりを無くす必要があります。
照明、温度、湿度および換気は適切であり、製造および保管中の医薬品等又は装置が正確に作動しなければなりません。
湿温度管理や換気回数が製品や原材料の保管、取り扱いおよび作業員の作業環境に対し、適切な設定になっていることがモニタリングできる仕組みが必要になります。
換気設備は、差圧管理による建物内部と外部の気圧をコントロールすることにより、虫の侵入を防止する対策をとります。
厚生労働省のGMP規定によれば、バリデーションは「あらかじめ決められた規格と品質に合致する製品が恒常的に製造されることを高度に保障し、それを文書化すること」と定義されています。
つまり、バリデーションとは、製造設備や製造工程、製造方法が目的とする品質に適合する医薬品を恒常的に製造できることを科学的に検証し、保証することです。
そしてその検証とは次の通りとなります。
バリデーションの進め方は下記の1~6のプロセスから構成されます。
この一連の評価、検証、保証といったプロセスにより、品質管理、製造管理が徹底され、恒常的に品質に適合する医薬品の製造が可能となります。
医薬品等の製造工場の計画には、必ずGMP規定に則り対策を取らなければなりません。
計画初期段階の基本構想段階からGMP規定に基づく管理運用コンセプトの設定が必要となり、設計段階においてはバリデーションによるGMP規定の適合性の確認、防虫、防鼠、防塵について、実績による技術的な知見、ノウハウが必要となります。
プラスPMは、医薬品製造工場建設の実績を有し、その経験からGMP規定やバリデーションノウハウを熟知しています。
医薬品製造工場の建て替え、改修工事をお考えの法人様は是非一度ご相談ください。
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