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PM/CM、建設コラム

本記事は工場の移転を検討している担当者の方に向けて、工場移転の「全体の流れ・スケジュール」について、できる限り簡単に全体感を把握できるように解説しています。
なお、「工場の建て替え」の概要に関しては下記記事でご確認ください。
工場を移転する際は、一般的に以下の流れで行います。
規模や新築・既存移転等の条件によって異なりますが、構想から移転完了まで2〜3年以上かかるプロジェクトになることも珍しくありません。
工場移転の流れ・スケジュール
それぞれについて解説します。
まずは工場移転の「構想・計画フェーズ」です。
移転完了の2〜3年以上前から着手することが一般的です。
「なんとなく移転を検討している」状態から、「なぜ移転するのか」「いつ移転するのか」「どのような工場が必要か」を具体化させていきます。
工場の移転は経営層だけではなく、製造・営業・総務など複数の部署が関わる全社的なプロジェクトです。
まずは関係部署からメンバーを選定し、移転プロジェクトチームを立ち上げます。
チーム発足後は「移転の目的」「必要な生産能力」「立地条件」「設備要件」「生産調整量」などを整理し、新工場に求める条件を明文化します。
次に工場移転に使える予算の上限と、おおまかな工期とスケジュールを決めていきます。
工場を新築して移転する場合、規模・仕様によって異なりますが、概ね数十億円〜数百億円規模の費用がかかることがあります。
そのため、早い段階で資金計画を立て、国や自治体の補助金・助成金を活用できるかを確認しておきましょう。
新工場に求める条件や予算等が固まったら、候補地や物件の選定、工場設計に進みます。
候補地の選定から設計完了までは、一定の期間が必要です。特に新築の場合は、土地の取得手続きや行政協議が加わるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
新築する場合と、既存工場を購入・賃借する場合で確認すべき項目が変わるため、自社の移転方針に合わせて進めましょう。
候補地を選ぶ際は、まず新工場の要件に合っているかを確認します。
広さや価格だけでなく、「搬入・搬出のしやすさ」「従業員の通勤」「取引先・物流拠点との距離」なども検討しなければなりません。
候補地や物件の目星がついたら、契約前に法令・行政手続きの確認も行いましょう。
工場の新設・移転では、用途地域や建築制限、道路・地盤の状況のほか、消防、排水、騒音・振動、危険物、工場立地法など、業種や設備内容に応じた確認が必要です。
移転先や移転時期が決まったら、従業員へ移転内容を告知します。
工場移転では勤務地の変更により、従業員の通勤時間や勤務継続に影響が出る場合があります。
特に遠方への移転が決まっている場合は、退職リスクや人員配置の見直しも想定しなければなりません。
そのため、退職の可能性を想定して対策を講じてから、必要に応じて早い段階で移転の方向性を共有し、従業員への影響を確認しておきましょう。
設計・施工会社を選定して、工場のレイアウト設計に進みます。
生産ラインや作業動線、搬入・搬出ルート、倉庫スペース、事務所、休憩室、将来の拡張性などを踏まえ、稼働後の使いやすさを設計に落とし込みましょう。
また、設備の稼働に必要な電気・給排水・空調などのインフラ条件も設計段階で確認しておくことが重要です。
契約と設計が進んだら、移転先の工事・手続きと、移転期間中の生産体制を整えます。
工場移転には1~2年程度かかるケースもありますが、工場の規模や新築・既存工場への移転、設備の移設内容などによって必要な期間は異なります。
また、既存工場の稼働計画や社外への案内も並行して進めていくフェーズです。
工場の新設・移転では業種や設備内容に応じた届出・許可申請が必要になる場合があります。
必要な手続きを終えたら、新築工事(または改修工事)を進めます。
移転後すぐに稼働できるよう、工事の進捗と設備搬入のタイミングをあわせて管理しましょう。
事前に立てた計画に沿って、「在庫の積み増し」や「受注量の調整」、「生産スケジュールの見直し」などを進めます。
また取引先や物流業者には、納期や出荷場所、連絡先、請求書・納品書の住所変更などを事前に案内しておくと、移転後の混乱を防ぎやすくなります。
新工場への設備搬入と稼働準備を進めるフェーズです。
設備の搬入・据え付けから試運転・品質テストまで、1か月〜数か月程度かかることが一般的です。
搬入順序やインフラ確認に不備があると、生産再開の遅れにつながるため、事前の段取りが重要です。
事前に立てた移設計画に沿って、新工場へ設備を搬入・据え付けます。
特に精度が求められる機械は、メーカーと移設方法や据え付け後の調整について事前に確認しておくことが重要です。
設備の据え付けが完了したら、本稼働前に試運転と品質テストを行います。
食品・医薬品・自動車部品など品質基準が厳しい業種では、品質テストに数週間〜数か月かかる場合があります。
新工場での稼働が始まったら、旧工場の整理を進めます。
賃貸物件の場合は契約書を確認して、解約予告や原状回復の範囲、明け渡し日を貸主とすり合わせましょう。
自社所有の工場であれば、売却や賃貸活用、解体、倉庫利用など、移転後の活用方法も検討します。
旧工場の整理までが、工場移転プロジェクトです。
工場移転でよく検討される課題は以下の4つです。
工場移転でよく検討される課題
それぞれについて解説します。
工場移転にかかる費用や期間は、工場の規模、移転距離、設備の種類、新築か既存工場への移転かによって大きく異なります。
主な費用項目は、以下のとおりです。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 土地取得費 | 工場用地の購入費、仲介手数料、登記費用 等 |
| 測量・地質調査費 | 敷地の測量、地盤・地質の調査にかかる費用 等 |
| 土壌汚染調査・ 対策費 |
土壌汚染の調査や、必要に応じた汚染土壌の除去・対策にかかる費用 等 |
| 設計費 | 建築設計、設備設計、レイアウト設計等にかかる費用 等 |
| 建築工事費 | 工場本体、事務所、倉庫、外構の建築費 等 |
| インフラ工事費 | 電気、水道、排水、空調、排気、通信環境の工事費 等 |
| 設備導入・移設費 | 新規設備の導入、既存設備の解体・輸送・据え付けの費用 等 |
| 行政手続き・ 申請費用 |
建築確認、消防、排水、騒音・振動、危険物関連の申請費用 等 |
| 生産停止・ 在庫調整費 |
移転中の生産停止、在庫積み増し、受注調整に伴う費用 等 |
| 旧工場の整理費用 | 原状回復、不用品処分、産業廃棄物処理、解約関連費用 等 |
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 物件取得・ 賃貸借契約費 |
既存工場の購入費、敷金・保証金、仲介手数料 等 |
| 改修・内装工事費 | 生産ラインに合わせた間仕切り、床、壁、天井、事務所部分の改修費用 等 |
| インフラ増設・ 更新費 |
電気容量の増設、給排水、空調、排気、通信環境の更新費用 等 |
| 設備移設費 | 既存設備の解体、輸送、搬入、据え付け、調整にかかる費用 等 |
| 搬入経路の整備費 | 開口部の拡張、床補強、クレーン手配、搬入ルート確保の費用 等 |
| 行政手続き・ 申請費用 |
用途変更、消防、排水、騒音・振動、危険物関連の申請費用 等 |
| 生産停止・ 在庫調整費 |
移転中の生産停止、在庫積み増し、受注調整に伴う費用 等 |
| 旧工場の整理費用 | 原状回復、不用品処分、産業廃棄物処理、解約関連費用 等 |
工場移転に必要な期間は、候補地・物件の選定から設計、工事、設備の移設、試運転までを考慮する必要があります。
特に新築の場合は、土地の取得手続きや行政協議も必要になるため、各工程にかかる期間を見込んだスケジュールを立てることが重要です。
工場移転の費用や期間は「建設会社」や「重量物の輸送会社」だけでなく、「コンストラクション・マネジメント会社(以下、CM会社)」に相談すると、移転全体の費用やスケジュールを整理し、実現性の高い移転計画を立てやすくなります。
補助金・助成金は契約前・着工前・設備導入前の申請が条件になることが多く、早めに調査・検討することが大切です。
主に確認したい補助金・助成金の例は、以下のとおりです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 自治体の企業立地補助金 | 特定地域への工場新設・移転、雇用創出、設備投資を支援する制度 |
| 設備投資に関する補助金 | 生産設備、検査設備、省力化設備などの導入に使える可能性がある |
| 省エネ・脱炭素に関する補助金 | 空調、照明、ボイラー、コンプレッサーなどの省エネ設備導入に使える可能性がある |
| 生産性向上・省力化に関する補助金 | ロボット、IoT機器、自動化設備などの導入に使える可能性がある |
| 研究開発・新事業に関する補助金 | 新製品開発や新たな生産体制の構築に使える可能性がある |
補助金・助成金は「移転先の自治体や商工会議所、中小企業診断士、CM会社など」に相談できます。
なお、工場で利用できる補助金・助成金については、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
新工場の建設や稼働には
など、業種や設備内容に応じた手続きが必要になる場合があります。
候補地の選定段階から行政に確認し、「どの手続きが必要になるか」「許可が下りるまでにどのくらいかかるか」を早めに洗い出しておきましょう。
届出・許可申請は「自治体の担当窓口」「建設会社」「行政書士」などに相談できます。
また「CM会社」に相談すれば、必要な手続きの洗い出しや、行政との調整も支援してもらえます。
なお、工場に関わる法律・許認可については、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
移転先が遠方になると、従業員の勤務継続が難しくなる場合があります。
そのため、正式な移転内容を伝えるだけでなく、必要に応じて早い段階で移転の方向性を共有し、従業員への影響を確認しなければなりません。
また、一定数の退職が見込まれる場合は、採用計画も早めに立てる必要があります。
新工場の稼働開始に間に合うよう、必要な職種・人数・教育期間を整理し、採用活動や研修スケジュールを移転計画に組み込んでおきましょう。
従業員対応は「社内の人事・総務部門」に加え、「社会保険労務士」「弁護士」などに相談できます。
また、「CM会社」に相談すると、従業員への影響も踏まえた移転スケジュールの整理や、採用・教育期間を考慮した工程調整を支援してもらえます。
工場移転を成功させるためには、費用や補助金、許認可、従業員対応などを個別に検討するだけでなく、それらを踏まえた実現性の高い移転スケジュールを作成し、計画的に進めることが重要です。
プラスPMでは工場移転に関する課題整理から、移転計画・スケジュールの策定、関係者との調整、実行支援まで一貫してサポートしています。
工場移転をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
CM会社であるプラスPMが支援した工場移転の事例を2つ紹介します。
配線結束保護チューブ、EMI(電磁波障害防止)対策部品の製造販売において国内最大手の日本ジッパーチュービング株式会社様の工場移転の事例です。
従業員が働きやすく、将来の事業拡大にも対応できる新工場への移転を進めました。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 課題 |
|
| 移転で重視したこと |
|
| 結果 |
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詳しい内容は下記記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
味の素社の子会社である「マレーシア味の素社〈AJINOMOTO(MALAYSIA)BERHAD〉」の工場移転事例です。
工場移転を単なる老朽化対策ではなく、「将来の安定生産」「ハラル準拠製品の生産体制強化」「物流条件の改善」「事業拡大に向けた用地確保」等を目的に進めた点が特徴です。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 課題 |
|
| 移転で重視したこと |
|
| 結果 |
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詳しい内容は下記記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
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