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PM/CM、建設コラム

本記事では、工場の新設もしくは建て替えを検討しはじめた方に向けて、「工場建設の相談先」について、比較表を用いながらわかりやすく解説しています。
なお、「工場建設の検討から完成まで」の流れに関しては下記記事でご確認ください。
工場建設の相談先は主に下記の4つです。
| 相談先 | 誰の立場に立つか | 相談するメリット | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| コンストラクション・マネジメント会社 | 発注者 の立場 |
「何から決めればいいかわからない」段階から相談でき、発注者側の立場で費用・工程・品質を整理してもらえる |
|
| ゼネコン (総合建設会社) |
ゼネコン の立場 |
設計から施工まで一社にまとめて任せられるため、窓口がシンプルになる |
|
| 設計事務所 | 設計事務所の立場 | 設計の専門家として工場のレイアウト・動線・法規適合を詳しく相談できる |
|
| エンジニアリング 会社 |
エンジニアリング会社 の立場 |
生産設備と建屋を一体で捉え、工場・プラント全体の計画を相談できる |
|
それぞれについて解説します。
一般的に「工場建設の相談先」となると、ゼネコンや設計事務所を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、最初に検討すべきはコンストラクション・マネジメント(CM)会社です。
コンストラクション・マネジメント会社(以下、CM会社)は発注者の代理人として工場建設プロジェクト全体(もしくは一部)をマネジメントする専門会社です。
設計会社や施工会社の選定、工程・品質・コストの管理など、建設プロジェクトを「発注者の立場」で支援します。
| 誰の立場に立つか | 発注者の立場 |
|---|---|
| 相談するメリット | 「何から決めればいいかわからない」段階から相談でき、発注者側の立場で費用・工程・品質を整理してもらえる |
| 向いているケース |
|
ゼネコンや設計事務所が「施工や設計を受注する立場」であるのに対し、CM会社は「発注者の立場に立って、プロジェクトの課題の整理、分析、助言による意思決定支援やゼネコン、設計事務所の選定、関係者間の調整などを実施し、企画段階から操業開始まで一貫して建設事業の品質・スケジュール・コストをマネジメントする立場」にあるのが大きな特徴です。
CM会社の大きな特徴は、「中立性」と「透明性」にあります。
CM会社は自ら設計や施工を請け負わないため、特定の設計事務所やゼネコンに偏らない立場で助言を行います。
発注者の視点に立ち、複数の選択肢を整理するため、最適な方向性を検討する際に有用です。
実際にCM会社が建設プロジェクトに参画した場合には、費用の内訳や工程の進捗、品質確認の結果などが発注者に共有されます。
プロジェクト全体の状況が可視化されることで、発注者自身が納得感を持って意思決定できる体制を構築できることが大きなメリットです。
CM会社はまだ広く知られた存在とはいえません。
しかし、建設に関する専門知識や十分なリソースを持たない発注者にとっては、強力なパートナーとなります。
実際に、工場・病院・大学などの大規模建設プロジェクトでは、発注者がCM会社を活用するケースが増えています。
設計から施工まで一気通貫で相談できるのが、ゼネコンです。
ゼネコンは建物を「建てること」を主な業務とする総合建設会社で、設計部門を持つ会社も多く、設計から施工まで一括で請け負うことができます。
また、一部ゼネコンは機器、プラント部分も一体で担当することが可能です。
| 誰の立場に立つか | ゼネコンの立場 |
|---|---|
| 相談するメリット | 設計から施工まで一社にまとめて任せられるため、窓口がシンプルになる |
| 向いているケース |
|
大手から地域密着の中堅企業まで幅広く存在し、施工力・工事管理のノウハウは豊富です。
ゼネコンは施工のプロフェッショナルです。
しかし、その立場はあくまで「施工を受注する側」にあります。
そのため、施工のしやすさが優先された仕様となる可能性もあり、必ずしも発注者にとって最適な設計や施工になるとは限らない点には注意が必要です。
また、ゼネコン各社の提案内容や見積の妥当性を発注者側で適切に評価・判断しなければなりません。
ゼネコンに相談し、検討を進める際には、設計や施工内容の妥当性を自社でどこまで判断できるか、また専門的な知見や体制が整っているかを確認しておくことが重要です。
建物の品質・デザイン・機能について、専門家の視点から深く相談できるのが設計事務所です。
設計事務所は建物の設計・図面作成を専門としているため、工場の動線計画・レイアウト・法規適合など、建物の設計品質を高めることに強みがあります。
| 誰の立場に立つか | 設計事務所の立場 |
|---|---|
| 相談するメリット | 設計の専門家として工場のレイアウト・動線・法規適合を詳しく相談できる |
| 向いているケース |
|
設計事務所には発注者の意図を丁寧にヒアリングし、要望を図面に落とし込む力があります。
設計事務所が担う役割は、基本的に「設計」です。
施工監理を兼ねるケースもありますが、その主な役割は、工事が設計図どおりに進められているかを確認することにあります。
そのため、建設プロジェクト全体から見ると、設計事務所が担うのはあくまで一領域で、施工会社の選定や発注、工事全体の進行管理などは、本来の専門業務には含まれません。
したがって、「設計事務所への相談」は、自社に工場建設を推進するためのノウハウや人員体制が整っている場合に適した選択肢といえます。
設備・生産機能を含めた「工場全体」をトータルで構築できるのが、エンジニアリング会社です。
エンジニアリング会社は、生産設備やユーティリティを含めた工場・プラント全体の設計・調達・建設を一括で担える点が大きな特徴です。
| 誰の立場に立つか | エンジニアリング会社の立場 |
|---|---|
| 相談するメリット | 生産設備と建屋を一体で捉え、工場・プラント全体の計画を相談できる |
| 向いているケース |
|
特に食品工場や化学工場といった品質基準や設備要件が複雑な建設プロジェクトの場合、エンジニアリング会社が持つ「強み」を発揮しやすいです。
エンジニアリング会社は設備・建築を一体で最適化できる一方で、自ら設計・施工を請け負うため、自社の技術や実績を前提とした提案になりやすい点には注意が必要です。
加えて、提案内容は専門性が高く、発注者側に専門的な知見がない場合、技術的な妥当性やコストの妥当性を判断することが難しいケースもあります。
したがって、自社だけでの判断が難しいと感じる場合は、CM会社などの発注者支援を活用し、第三者の視点を取り入れながら検討を進めると安心です。
どこに相談するかは、以下の4つを判断軸として検討するとよいでしょう。
| 判断軸 | 確認ポイント | 向いている相談先 |
|---|---|---|
| 建てたい工場のイメージが固まっているか | 規模・仕様・目的などが自社内で判断・管理できているか |
|
| コスト・品質・工程を管理できる社内リソースがあるか | 建設経験者・専任担当者のチームが社内にあるか、管理のノウハウがあるか |
|
| 複数社を比較検討したいか | 自社で比較・評価の軸を持っているか |
|
| 工場の専門性やプロジェクトの複雑さ | 品質水準や設備・技術要件の専門性・複雑さに対して、自社内で判断・管理できるか |
|
それぞれについて解説します。
「工場が必要なのはわかっているが、規模も仕様もまだ決まっていない」という状態で相談先を探しているケースは少なくありません。
ゼネコンや設計事務所、エンジニアリング会社は、ある程度要件が固まった状態での相談を前提に動くことが多く、「まだぼんやりしている」段階では提案が抽象的になりがちです。
一方、CM会社は目的の整理・要件定義・発注先の選定といったプロジェクトの上流から参画できるため、「何から始めればいいかわからない」段階でも対応が可能です。
建てたいイメージがぼんやりしている場合は、まずCM会社への相談を検討してみましょう。
工場を「新たに建設する」もしくは「建て替える」ことになったものの、「社内に建設ノウハウがない」「専任で対応できる人員がいない」というケースも多くあります。
見積もりの妥当性確認・品質基準の設定・工程の進捗管理など、プロジェクト全体を通じた管理業務を発注者自身が担えるかどうかが、相談先選びの重要な判断軸になります。
自社にノウハウやリソースがあるかどうかを確認し、「その不足を補ってくれる相談先はどこか」という視点で選ぶことが重要です。
工場建設では、最初に相談した1社にそのまま発注するケースがあります。
ただし、発注者が比較の軸を持っていないと、提案内容や費用の妥当性を判断できません。
自社で複数社を比較・評価できる場合は、ゼネコン・設計事務所・エンジニアリング会社にそれぞれ個別に相談して比較検討できます。
一方、比較の軸がわからない・客観的に整理したい場合は、中立的な立場で複数社を比較評価できるCM会社が力を発揮します。
工場建設では品質水準や設備・技術要件の専門性、関係者の多さなどによって、プロジェクトの難易度が大きく変わります。
自社内で要件を定義し、適切に管理できる場合は、ゼネコンや設計事務所への相談でも対応が可能です。
一方で、
といった場合は、自社だけで判断・管理することが難しくなります。
自社でどこまで判断・管理できるかを見極め、工場の専門性やプロジェクトの複雑さに応じた相談先を選びましょう。
工場建設の相談をする際、以下の3点を事前に整理しておくと、より具体的な話ができ、時間を有効に使えます。
相談前に整理しておきたい3つのこと
ただし、CM会社に相談する場合は上記3つを整理する段階から参画が可能です。
工場建設プロジェクトの上流から入れば入るほど、効果的な支援が可能になります。
「生産能力を増やしたい」「老朽化した既存工場を建て替えたい」「新製品ラインを立ち上げたい」「海外から国内に生産拠点を移したい」など、建設の動機を言語化しておきましょう。
目的が規模・設備仕様・工程など、その後のすべての判断軸になります。
目的が曖昧なまま進めると、完成後に「想定していた使い方と合わない」という事態につながりやすいので、注意が必要です。
工場建設は設計から竣工まで通常1〜3年かかります。
「○年○月に稼働開始したい」というゴールが決まっていれば、逆算してどの段階から動き始めるべきかが見えてきます。
スケジュールが明確でない場合でも「なるべく早く」「来期中には」など、方向性だけでも整理できていれば相談がスムーズです。
特に工場立地法・都市計画法などの行政手続きは数カ月単位の時間がかかるため、早期の相談が重要です。
「○億円規模」「○千万円以内に収めたい」など、事業投資としての上限感を伝えられるだけで、相談先も提案の方向性や仕様の水準を合わせやすくなります。
予算感が全く示せない状態だと相談先からの提案が抽象的になりがちなため、まずは建設費の概算イメージだけでも持っておきましょう。
さらに余裕があれば、「建設費以外の費用も視野に入れておくこと」をおすすめします。
製造設備・搬送設備・空調・電気設備などの設備費、外構・駐車場などの周辺工事費、設計費などのソフトコスト、そして稼働後の光熱費・メンテナンス費といったランニングコストまで含めると、総額は建設費の1.5〜2倍以上になるケースも珍しくありません。
「建設費○億円で収めたい」とだけ伝えると、設備費や諸経費が別途膨らんで当初の想定を超えることがあるため、総予算ベースで整理できていると相談がより具体的に進みます。
工場を建てようと検討する際の相談先は「CM会社」「ゼネコン」「設計事務所」「エンジニアリング会社」の4種類があり、それぞれ動く立場・得意領域が異なります。
相談先を選ぶ際は、「建てたい工場のイメージが固まっているか」「コスト・品質・工程を管理できる社内リソースがあるか」「複数社を客観的に比較したいか」「プロジェクトの規模・複雑さ」の4つを判断軸にするとよいでしょう。
いずれの軸においても、「まだぼんやりしている」「社内にノウハウがない」「客観的に比較したい」という場合は、発注者の代理人として動き、中立的な立場で判断を行うCM会社への相談がベストな選択です。
「何から始めればいいかわからない」という段階でも、プラスPMにご相談いただければ、最適な進め方をご提案します。
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