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PM/CM、建設コラム
本記事は工場建設の全体流れの中でも特に「設計」のプロセスに焦点を当て、その基本的な内容と成功させるための5つのポイント・コツについて、はじめて「工場建設担当」になった方でも簡単に理解できるように工夫して解説しています。
なお、「工場建設」全体の概要や流れに関しては、下記記事でご確認ください。
工場建設では、設計と工事(施工)を一括で建設会社に依頼する「設計施工一括発注(DB)方式」で発注することが多いです。
「DB方式」とは建設プロジェクトにおける発注方式の1つです。
設計と施工を一括で建設会社に依頼する方式のことで、「設計施工一括発注方式」とも呼ばれます。
「DB方式」で発注すると設計だけの知見ではなく、施工の経験、実績などからの技術力も設計に活かすことができるため、コスト削減や工期短縮につなげられる可能性があることがメリットとなります。
このコンテンツは、この「DB方式」を前提に詳細を解説していきます。
「工場設計」の全体像において、「基本設計」とは発注者の要望する工場に必要な機能、面積配分、仕様などを、予算に合わせた内容でまとめる大まかな設計のことです。
工場の目的や設計方針を明確にした上で建物の配置やレイアウト、設備の仕様などを決めていくため、平面図や立面図、断面図、構造計画書、電気設備概要書等が作成されます。
工場の建設費は「基本設計の完了時点で初期コストの見通しが立つ」といわれているため、基本設計の段階でコスト管理も並行して行う必要があります。
「工場設計」の全体像において、「実施設計」とは「基本設計」の後に行う詳細な設計を指し、工事の基になる設計のことです。
この実施設計では以下のような内容を確定させます。
工場建設の「基本設計」や「実施設計」の流れについては、下記記事で解説しています。あわせてご覧ください。
なお、自社に工場設計に関する専門的な知識や経験が不足している場合は、外部のコンサルティング会社を活用すると効果的です。
コンサルティング会社は、専門的な立場から建設会社が提案する設計案や見積り内容を客観的に評価し、妥当性をチェックしてくれます。
また、必要に応じて代替案を提示するなど、発注者の利益を守る役割も果たします。
建設会社との間に専門家を立てることで、より安全で無駄のない工場設計を実現できます。
工場設計を成功させるためには、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。
それぞれについて解説します。
まずは工場の設計を発注するにあたって、「明確な目的とコンセプト」を設定しなければなりません。
工場設計を成功させるためには、事前に工場建設の目的を明確にすることが重要です。
目的を明確にしていないと適切な計画が立てられないため、最適な工場設計が実現できない可能性があります。
工場建設の目的例
建設会社と打ち合わせをしながら明確にしていく場合もありますが、あらかじめはっきりさせておくとスムーズに進めていけるでしょう。
工場設計を成功させるには、現在の状況をしっかりと分析したうえで、将来的なニーズを見越した設計をすることが大切です。
例えば、生産量を増やしたり、新しい設備を導入したりする可能性があるのならば、あらかじめ十分なスペースを確保しておきます。
また、配線や配管も、後から変更しやすいように計画的に配置しておけば、将来的な工場の拡張や設備変更にも柔軟に対応できます。
さらに、増築や改修がしやすい構造を取り入れることで、将来の工事を最小限に抑えることができ、結果的にコストや工期の削減にもつながります。
工場設計では「生産効率」や「安全性」を十分に考慮した設計にする必要があります。
効率的なレイアウト・動線設計を行うことで、生産性を向上させることができます。
具体的には
といったことが挙げられます。
そのためには、工程の順序に沿った設備配置や製品・敷地条件に応じたレイアウトを選択し、頻繁に使用する資材や工具を作業場近くに配置することが重要です。
また、設計段階で各部門の意見をヒアリングし、実務に即した動線設計を行うことで、稼働後の効率性や使いやすさが向上します。
工場内で人やモノの動線が交差すると、事故やトラブルが発生しやすくなります。
そのため、「資材搬入ルート」「生産エリア」「製品出荷ルート」「作業員の通路」などを明確に分離したゾーニングと動線を交差させないよう設計することが重要です。
また、食品や医薬品工場など衛生管理が求められる現場では、清潔区域と一般区域を明確に区分けし、人や物品の不要な往来を制限することで汚染リスクを防ぎます。
ゾーニングを計画段階から明確にしておくことで、生産効率向上だけでなく、安全性・衛生面においても質の高い工場運営を実現できます。
工場設計の段階では、コストマネジメントが非常に重要です。
設計段階で適切なコスト管理を実施しておくことで、稼働後のトータルコストを抑えることが可能になります。
工場の設計では、設備や建物の導入にかかる初期投資と、稼働後に発生する運用コスト(メンテナンス費用、光熱費、人件費など)をバランスよく検討する必要があります。
初期投資を抑えすぎると設備や建物の耐久性が低下し、頻繁な修繕やメンテナンスが発生する可能性があり、結果的に運用コストが増加してしまいます。
逆に初期投資が過剰になると資金繰りに負担をかけ、事業の収益性が圧迫されるリスクがあります。
設計時には初期投資額と運用コストのシミュレーションを複数パターンで比較し、最適なバランスを取ることが重要です。
ライフサイクルコストとは、工場が完成してから運用期間を終えるまでのすべての費用(建設、運用、保守、改修、解体など)を合計したトータルコストのことです。
設計段階では短期的な視点ではなく、ライフサイクルコストを考慮した長期的な視点を取り入れる必要があります。
例えば設備を選定する際には、購入価格だけでなく耐久性やエネルギー効率、メンテナンスのしやすさまで含めて評価し、長期的に見てコスト削減につながる設計を目指しましょう。
こうすることで、工場全体の収益性や競争力を長期間維持できます。
工場設計を成功させるためには、設計・施工を依頼する建設会社の選定が重要です。
設計能力や技術力が工場の品質や生産性、さらにコスト管理にまで影響するため、慎重に判断する必要があります。
工場の設計には一般的な建築物とは異なる専門的な知識が求められます。
例えば、製造プロセスを理解したレイアウト設計や、生産性・安全性・衛生面を配慮した動線計画、空調・換気・電気などの設備設計など、工場特有の課題を解決できる専門性が必要です。
そのため、選定時には建設会社の施工実績を必ず確認しましょう。
特に製造する製品が自社と類似する工場や同規模の工場の設計・施工実績がある会社であれば、具体的なノウハウや技術的なアドバイスを得やすくなります。
建設会社を選ぶ際は自社の要望や課題に対して、複数のアイデアや改善策を積極的に提案してくれる会社を選ぶことが大切です。
特に潜在的な問題まで見抜き、プロの視点で最適な設計プランを提示してくれる建設会社であれば、安心して任せることができます。
選定時に「面談の機会を持つこと」や「プレゼンテーションの場での質疑応答」で対応を見極めるなど、自社にとって信頼できるパートナーかどうかを判断しましょう。
工場設計を成功させるには、設計を依頼する建設会社だけでなく、専門のコンサルタントを活用するのも有効な方法です。
自社だけで計画を進めると、経験・情報不足により重要なポイントを見落としやすくなりますが、コンサルタントは業界の豊富な知識や他社事例のノウハウを基に、具体的かつ客観的な改善策を提示してくれます。
また、自社と建設会社の間に入り、第三者的な立場から適切な設計案の評価や検討を行ってくれるため、建設会社の提案内容が適正かどうかの判断にも役立ちます。
設計段階からコンサルタントを活用して継続的にアドバイスを受けることで、生産効率や拡張性、さらには中長期的なコストまで考慮した質の高い工場設計が可能になります。
当社コンサルタントによる初期ヒアリングは無料です。まずはお客様のご要望をおうかがいいたします。